海乃山

海乃山 、そのふてぶてしい風貌と横綱へのけたぐり





数年前、稀勢の里が朝青龍に立合いのけたぐりで敗れたことがありました。横綱がけたぐりをするというのも意外ですが、逆に横綱に対してのけたぐりも、最近は見かけなくなった気がします。

朝青龍あたりは強面だから、けたぐりなんかを仕掛けるのは怖い、という部分もあったのでしょうか・・・。

学生相撲出身力士が増えて、先輩後輩の序や横綱・大関への礼儀が、土俵の中にまで影響しているのか・・・。勝負は別だと思うのですが。

海乃山は横綱・大関相手にも悪びれることなく、けたぐりを仕掛けました。ふてぶてしい表情と態度。太い眉毛で不機嫌そうに眉間にシワを寄せ、いかにも曲者然とした佇まい。

大きな大鵬が小さな海乃山に転がされる図は、ある種の爽快感がありました。もちろん、それは技の切れがあったからこそです。

昭和40年代前後の大相撲ですから、当時は中腰の立合いで、まるで短距離走のスタンディングスタートのような体勢で、すれ違いざまのけたぐりは、まさに一瞬の出来事といった感じでした。攻防の中での、けかえしも見事。勝負度胸の良さが、曲者ぶりを際立たせました。

ところで海乃山の172センチは、当時の幕内で最低身長力士でした。この小兵力士が、なぜ立合いの変化が決まっていたのか?それは正攻法のときの攻めの厳しさもあったからと思います。172センチでしたが・・・一番相撲内容が似ていたのは、朝青龍でございました。

力士名鑑 : 海乃山



砂かぶりの夜

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