藤ノ川

「今牛若丸」の 藤ノ川 、強い当たりと激しい相撲で土俵狭しと暴れまくった





今牛若丸」と呼ばれた藤ノ川は極めつけの花形力士でした。昭和41年九州場所、20歳の若さで入幕。前頭の上位となった入幕3場所目の昭和42年春場所、横綱佐田の山を破るなど12勝3敗の大活躍。殊勲・技能賞を受賞、今牛若ブームが起こります。立合いに当たってから首根っこを腕で叩くような、強引な変化技で佐田の山を破りました。

藤ノ川

身長178cm・体重108kg、肩幅が広くゼイ肉がまったく無い体は、数字以上に細く見えたものです。ソップ型の力士も多かった当時の土俵においても、ずば抜けて細かった記憶があります。

とにかく速くて激しい突き押しで、相手力士を圧倒しました。顔つきも精悍そのもの。自分よりも大きな相手に、ほとんどケンカを売っているような表情で立ち向かっていました。横綱・大関相手に、この突き押しから強烈な叩きこみや突き落とし。

藤ノ川

体が細いとはいえ、とにかく当たりが強いのです。大関豊山にぶちかます藤ノ川、スピードも角度も素晴らしいのが分かると思います。威力十分です。そして乱戦の中で・・・。

藤ノ川

切り返しというか、後方に放り投げてしまうのです。そして「どうだ」と言わんばかりに仁王立ちになって、役力士を見下ろす姿は颯爽としたものでした。

藤ノ川

あまりの相撲の激しさに、マゲがザンバラになったことがありました。

藤ノ川

この相撲も大乱戦となり、最後は藤ノ川がヒザがつきそうな状態ながら寄り切ります。

藤ノ川

ザンバラでの勝ち名乗り。凄まじい迫力が漂う、そんな勝ち名乗りでした。

土俵狭しと暴れまくった藤ノ川でしたが、ケガのため26歳の若さで引退します。幕内在位31場所を、ニックネームそのままに「今牛若丸」のように、昭和の土俵を駆け抜けました。




力士名鑑 : 藤ノ川

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