若乃花

若乃花 はお兄ちゃんキャラの仮面を被って鬼のような相撲をとった





空前の大相撲人気の、若貴ブームを現出。小柄な体で横綱に昇進し、史上初の兄弟横綱を実現させた若乃花。お兄ちゃんキャラでしたが、それはそれは厳しい相撲をとる力士でした。

若乃花といえば足の筋肉が有名でしたが腰はむしろ軽く、これは実は伯父の初代若乃花もそうでした。しかし初代若乃花同様にヒザが強靭で、土俵際の逆転劇を演出しました。初優勝のときの曙との一番など、その本領発揮という相撲でした。

立合いの駆け引きが巧く、相手の呼吸をずらすように立つ立合いは絶妙で、巧いというよりもずるいとさえ言われました。これに関してはのちにバラエティ番組などで、「相手が恐いぐらいにデカいんですから、しょうがなかった」という趣旨の発言をして、周囲も納得といった場面がありました。

しかし貴乃花との確執が表に出るようになったころ、貴乃花の「横綱にもとる相撲」といった話をしていたことがありましたが、これは若乃花の立合いを指していると私は思っています。もしそうならば、この確執が修復されることはないでしょう。

若乃花で印象に残る場面で真っ先に浮かぶのは、いつかは記憶にないのですが久島海との一番です。久島海が幕内にいた時期から判断すると、若乃花が幕内から三役に上がるころだと思います。

それまでは小柄で相撲巧者というイメージでしたが、右おっつけで久島海の200kgを超える巨体を、それこそ真上に持ち上げるような感じで浮き上がらせました。さすがに、あれには驚きました。

平成10年春・夏場所に連続優勝で横綱に昇進、平成9年に負ったケガで再起不能かと騒がれた中での奇跡的な復活でした。しかしケガの影響からか体の張りは完全には戻らず、正直にいって全盛期を過ぎたところでの横綱昇進ではありました。

琴錦が、もっとも印象に残る対戦相手に若乃花をあげています。二人の対戦は凄まじいばかりのスピードの豊かさと、技術の粋を尽くした攻防でした。極めてレベルの高かったこの時代、朝青龍と戦わせたかった力士が若乃花と琴錦です。ケガが無かったら、朝青龍が大関に昇進するとき若乃花は31歳。

稀に見る壮絶な相撲になったでしょうね、立合いの神経戦も含めて。何といっても伯父さんは、「土俵の鬼」でしたから。

大相撲力士名鑑 : 若乃花




 

2件のコメント

  1. >>しかし貴乃花との確執が表に出るようになったころ、貴乃花の「横綱にもとる相撲」といった話をしていたことがありましたが、これは若乃花の立合いを指していると私は思っています。もしそうならば、この確執が修復されることはないでしょう。
    若貴兄弟は父親が異なり(しかもいずれの父親も大関貴ノ花ではない)それが兄弟の確執の原因だ、というゲスい噂が根強くあって、正直ウンザリしていた。
    上記の「横綱にもとる相撲」説が正解ならば、貴乃花親方の常軌を逸した理事長への執着も、貴乃花一門以外の親方が貴乃花親方を支持するのも理解できる。
    ただ、貴乃花親方の弱点と言っていいのか、ご自分の意見を上手く言葉で表現することができない。NHKの相撲中継の解説のときは、必ず向正面の阿武松親方が「通訳」の役目に就いている。
    以前の通訳役の貴闘力は私生活のトラブルで相撲協会を退職、貴ノ浪は早世した。
    貴乃花親方に関して理解できないのは、毎年節分に豆まきをして、春場所の宿舎にしている某神社だが、これはまた別の問題か。

    1. shin2さんへ
      コメント、ありがとうございます。
      貴乃花親方は以前にテレビで、自分のダイエットをした方法や、四股踏みが体に良い運動であることの説明は明快に話していました。相撲に関しては、やはり貴乃花にしか分からない世界観があって言葉が理解しがたいということでしょうか。あまり貴乃花親方の解説を聞く機会がなかったので、詳しくは分かりませんが・・・。松村邦洋の、「コラ~、貴ノ岩あぁ~」のモノマネは、いかにも言いそうだなぁと思って、見ております。

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