高見盛

ロボコップ 高見盛 も引退してもう4年かぁ、早いもので





土俵入りのとき拍手が多い力士は花形力士と呼ばれるわけですが、ユーモラスな雰囲気を持った花形力士との珍しい・・・というか、もちろん本人はまったくユーモラスと言われるようなことはしていない高見盛です。

先日、ユーチューブで大相撲の動画を見ていて、高見盛のドキュメンタリーにぶち当たりました。かつて小結という三役力士が全盛期を過ぎ、十両に落ちて、今引退の危機に瀕している。彼はなぜ、そこまで現役にこだわるのだろう?・・・という内容でした。

番組では、高砂部屋での一門の稽古風景が映し出されます。白廻しは高見盛一人。ここで、「黒い廻しは幕下以下、つまり見習いの力士だ」とのナレーションが入ります。

幕下が見習い???って、制作側も多少は大相撲を知ってから作らないとなぁと思って見ていましたら、高見盛は自分よりも体の大きい黒廻しの力士に負け続けます。稽古場での弱さは、いつものことの高見盛。

ここでナレーション、「申し合いは、上の者が胸を貸すといって、下の者に負けることは通常ほとんどない。彼は、かつての輝きを失っていた」。ドラマチックに語るほど、もうちょっと知ってくれとの思いが増します。

そして一人暮らしの高見盛の部屋へ、「冷蔵庫?何も入ってません。電気代がもったいないから電源は抜いてます」「ガスは引いてません。いない時に基本料金を払うのがもったいない」と高見盛らしい返事、地方場所や巡業もあるし。どうしても悲壮感を出そうとしたがる、製作者側。

ここでまたナレーション、「十両に落ちて彼は、年収で約300万円減り、懸賞金はなくなり、 CM契約は打ち切られた」。何か凄い大変な状況というのを伝えたい、というのがヒシヒシと伝わります。CMのない力士が普通なのに。

お笑い番組で「情熱大陸」のパロディをやっているのを見たことがありますけど、だんだんそんな感じになってきたところを救っているのが高見盛の相撲に対する真摯な言葉だったわけです。

要所要所で、「正直、相撲をとることが一番つらい」「歴史を巻き戻すことはできない」という高見盛の飾らない言葉が、このドキュメンタリー番組を救っていきました。

最近の四つ相撲でよく見る場面、攻めるよりも相手の上手を嫌って腰を引く。しかし高見盛は勇敢でした。右を差すために果敢に向かっていき、熱戦を見せました。

サインや握手、記念撮影を滅多に行わないことで知られているようですが、私の友人はコンビニで立ち読みしている高見盛にサインをお願いしたら、普通に応じてくれたそうです。

本場所や巡業のような人が見ているところでのサイン・握手・記念撮影は無視しているのではなく、緊張で周囲の事に注意が向いてないというのは、どうやら本当らしいですね。人が見ていなければ、ファンサービスする力士だと分かりました。

やはり、応援したくなる力士でしたね。ちなみに写真は、朝青龍に勝って花道を引き揚げる高見盛であります。

大相撲力士名鑑 : 高見盛

大相撲 幸運ブレスレット




2件のコメント

  1. 2000年代(ゼロ年代)の人気がドン底の時代に大相撲を支えた功労者です。
    弘前実業から日大という学生相撲のエリートコースを進みながら、立合いアゴ上げっぱなしで、引退まで変わらなかった。
    正直、この力士に関しては、強いのか弱いのかよくわからなかった。似たタイプの力士を捜しても見つからない。ドキュメンタリー番組に一番向いてない力士だろう。
    本名の加藤精彦(かとう せいけん)ってカッコいい名前だ。

    1. shin2さんへ
      コメント、ありがとうございます。
      高見盛も、いつの間にか懐かしい存在になりました。あの厳しい初代若乃花でさえ、高見盛の土俵態度に好感を持っていました。本当に当時は、花形力士といえる存在が高見盛と魁皇ぐらいだったかもしれません。ただ初代若乃花は、「時間一杯の、あの奇妙な動作はともかく」と前置きして褒めているところが、高見盛らしいところです。

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