稀勢の里

稀勢の里 の稀勢の里による太字の上書き保存は来場所以降に絶対に生きてきます





大相撲夏場所7日目、稀勢の里御嶽海の右おっつけをしのいで、そこからの右前ミツの攻めを左下手から攻め返して、難敵の御嶽海を退けました。相撲内容が安定してきました。

左を差し込むときの肩の回復具合が、もっとも気になるところでした。実際のところは、やはり万全ではありません。しかし左下手と下半身の動きが連動することで、稀勢の里らしい横綱相撲をとっています。

初日の嘉風戦は嘉風の攻めが厳しいものでしたし、遠藤戦はご存知の通り、遠藤自身にもコントロールできないほどの重心の変化に対応できなかった稀勢の里でした。遠藤戦は、運が無かったという部分も少なからずありました。

場所前から、「切り札の左おっつけが使えない」という論調が多かったですね。その点については、もともと稀勢の里は左おっつけを使わなくなって横綱に昇進した力士ですから、問題ないと思います。

左おっつけを多用していた渋いえんじ色の締め込みの時代から、今の深い紺色の締め込みになり、稀勢の里は左おっつけよりも左差しを優先するようになりました。そこから成績が安定してきて、今があります。

左で下手を引き、完全に左四つに組んだら下手を放し、左かいなで相手を起こして再び下手を引き直す。この流れが素晴らしかった先場所、先々場所。今場所はこの、一度下手を放して左のかいなで起こす、という動きはさすがに痛みがあるのでしょう。

左のおっつけは左を差し負けたときの大きな武器ですが、その武器を使わなくても済む状況にする、つまり左差しをさらに磨く絶好の機会だ、と稀勢の里だったら考えてるんじゃないでしょうか。

今の色の締め込みになって、あまり攻めなくなった稀勢の里、っていうと言い方が変ですね。無理な攻めはせず、一旦は受けて左四つの型を作り、そこから攻めるようになった稀勢の里。

今場所は左かいなの返しは万全ではないものの、その状況が、紺色の締め込みになって磨いてきた受けの相撲に、さらに磨きを掛ける場になっていると感じます。

今場所は稀勢の里の受けの部分を、さらに太字にして上書き保存している、そんな相撲をとっています。そしてそれは、来場所以降に絶対に生きてくる相撲になるでしょう。

大相撲力士名鑑 : 稀勢の里

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2件のコメント

  1. 相手に思う存分相撲を取らせて、動きが止まったところをゆっくり仕留める相撲は、師匠の隆の里に似てきた感じがする。
    とりあえず左肩左腕のケガが致命傷でなくてよかった。今場所の優勝は難しいだろうが、千秋楽まで無事に取り切ればいい。

    1. shin2さんへ
      コメント、ありがとうございます。
      左から起こすのは厳しいでしょうが、稀勢の里らしい左四つの相撲の前半戦でした。横綱・大関戦はさらに厳しさを増すでしょうが、稀勢の里の我慢の左四つを見せてほしいですね。何か「平成のおしん横綱」みたいですね。

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