稀勢の里

稀勢の里 いよいよ新横綱の登場、新しい土俵の風景が見えてくる





大相撲になりました!最強の力士」での、稀勢の里の最初のコラムが新横綱場所の直前というのも感慨深いです。テーマは「四横綱の中の一人」となるか、それとも白鵬との並立時代あるいは稀勢の里時代を迎えられるか、というところです。

稀勢の里は、誰もが知っていることですが、急に強くなった力士ではありません。一歩一歩、前に進んできた力士です。横綱昇進にしても安定感を評価された部分がありましたが、逆から見れば、一気にブレイクしたわけではないということで、この安定感への評価は大関昇進のときも同様でした。

「一歩一歩、前に進んできた力士」と書きましたが、実際は「三歩進んで、二歩下がる」を繰り返しながらの横綱昇進だった、と思います。

立合いにしても、大関に上がってからでも腰を割った立合いをなかなか出来ませんでした。「今場所は良い立合いをしているな」と見ていても、白鵬や日馬富士・琴奨菊といった意識してしまう相手との取組では、元の立合いに戻ってしまう、という場面を再三にわたり見てきました。

腰高が目立つ相撲が多く、左の差し手で相手を起こしてから攻めるべき、という場面でも強引に腰高で出て行って逆転負けも再三でした。左のかいなを返して攻める相撲が出来ているかと思えば、翌日は攻め急ぎ、という日々でした。

ここ数場所、立合いに腰を割って立ち、四つになってからも、かいなを返して相手を起こしてから下手を引きつけるという相撲になって、本当の意味での安定感が出てきたと言えます。しかし、この相撲は根気が非常に必要な相撲です。そして、この「根気」は重要です。

かつて稀勢の里には、左のおっつけが伝家の宝刀という時期が有りました。白鵬を吹っ飛ばしたこともありました。しかし、怪力の左のおっつけは両刃の剣、威力はあっても結局は淡白な相撲です。

白鵬に対し土俵際の突き落としで逆転勝ちしていた時期があった稀勢の里ですが、その頃の白星はあまり意味の有るものではありませんでした。初場所の千秋楽、あの白鵬戦の土俵際で、突き落としを見せていたら負けていたでしょう。苦しくても左をこじ入れ、かいなを返して、すくい投げを打ったから勝てたのです。

苦しい場面でも、踏みとどまって戦う・・・。山に登るがごとく一歩一歩、今の相撲を稽古で磨いてきた稀勢の里、その左に注目の・・・新横綱の登場です。新しい土俵の風景を見せてくれ!




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