かつて、巨漢の把瑠都が内無双を決めたことがありました。力にまかせた内無双という感じで、違和感があった記憶が残ってます。
内無双が得意だった二子岳は、昭和42年初場所に新入幕。 178センチ、110キロ。業師が多かった当時の土俵でも、技能派 力士で鳴らしました。
二子岳の内無双は、子供の目には何が起こったか分からないような技でした。土俵上も一瞬の静寂に包まれる、という感じがしました。そして勝負が決まった後、何事も無かったように無表情で勝ち名乗り を受ける様が、いかにも曲者といった風情がありました。
やはり内無双は力まかせではなく、クールに決めていただきたい決まり手です。 小さい力士が大きい力士を引っ繰り返して、やられた力士は呆然とした表情、 決めた方はケロッとした顔の対照がやはり絵になります。
把瑠都だけでなく、朝青龍も内無双を決めた場面がありました。もちろん、ちゃんとした決まり手ですから問題ありませんが・・・。リーチを生かせる欧州出身力士、手を使うことに慣れているモンゴル出身 力士にとって自然な決まり手なのかもしれません。琴光喜も決めました。横綱・大関には、似合わない技ではありますね。
昭和40年代に、クールという言葉が流行りました。内無双の代表的使い手だった二子岳は、クールな格好良さを持っていました。
当時の若者を象徴するような雰囲気に、ファンになった記憶があり ます。新入幕の年、秋場所に前頭4枚目で8勝7敗。この年の初場所が新入幕で、1年かからずに翌九州場所には番付運 良く小結に昇進。このときは子供心に ラッキー と思ったものでした。
ちなみに、外無双も決めています。