豪栄道が独走態勢に入った、大相撲秋場所です。今回も前回の豪栄道の記事の続きということで、若干似たようなことを書きますが・・・。
豪栄道の相撲の型というものが、今までは見えにくいと感じていたわけですが、11日目の御嶽海戦でそれは見えたような気がします。外四つでも得意の前廻しを引き付ければ敵無し、これが豪栄道の相撲、ファイナルアンサー。
思えば豪栄道の相撲は、少しずつながら毎場所違っていたように思います。高校時代は横綱相撲のような相撲をとることも出来ていたものの、大相撲に入ってからは上背がないという理由で「小さい相撲」を取り始めた豪栄道。
スモールベースボール、基本はバントですよ、ちょっと違うか。まぁ、それでも頭を下げて小さくなっての、若手力士の頃の立合いでは、実際の豪栄道の当たりを存分には発揮できていませんでした。
若手から中堅という年代になって、立合いも堂々となってはいきましたが、取口に関しては相手力士によって変わる・・・それだけ対応できる能力が有ったわけですが。コレだ!、というものは今一つ。
入門前からの大きな期待、それも理想的な力士体型を持った(手は短いが)力士としての期待の大きさは、北天佑以来だったと思います。偶然ですが、北天佑も頭を付けたりの「小さい相撲」を見せたりして、迷いを感じた大関でした。
くどいようですが、豪栄道には本格派の四つ相撲の力士を思い描きました。その気持ちは新入幕場所で、春日王をキレイに腰に乗せた吊り出し(決まり手は寄り切り)で決定的となりました。
具体的には大相撲史上吊り出しナンバーワンの(言い切りました)、横綱玉の海をイメージした相撲の型を期待しました。玉の海が真っ向から、がっぷり四つで大鵬を制した相撲。豪栄道と白鵬の身長差が、ちょうど玉の海と大鵬のそれと同じぐらいだったというのもありました。
玉の海は脇ミツを引き付けた、キレイな四つ身。今なら舞の海辺りに、「上手が深い」なんて言われそうな四つ身でした。結局、豪栄道には脇ミツよりも、前ミツが合っているということですね。
この10年に及ぶ思いは、それはもういいとして、これが豪栄道という相撲に今場所は辿りつけたかな、と極めて個人的な見解を下しております。得意の前廻しを引き付けての堅実な寄り、豪栄道の今の体型や立合いにあった相撲です。
双葉山時代の後を支えた横綱羽黒山は左四つからの寄り、吊り、投げを得意手としていましたが、当初は両前廻しを引き付けて、グイグイと寄り立てる相撲だったといいます。YouTubeで見ることが出来る羽黒山の映像は、すでに左四つの相撲です。
どんな相撲だったのかな、などと想像していた羽黒山の取口は、11日目の豪栄道の相撲に近いでしょう。取口自体は押し相撲が増えている豪栄道ですが、やはり前廻しを引き付ける相撲が一番似合っております。
ということで、今まで2場所連続の好成績が無い豪栄道、取口が出来上がったので今までとは違う!、みたいな安易な論法で、来場所は綱取りだ!、なんてことは言うもんか。
パワーストーンブレスレット:ローズクォーツで赤房をイメージしました
平成24年5月場所、十一日目終了時で1敗は稀勢の里ひとりで2敗力士なしだったが、千秋楽賜杯を抱いたのは平幕旭天鵬だった。
今日十二日目、豪栄道は敗れて2敗となったが、3敗力士も全員敗れた。まだ運はあると思いたい。
ただ今日の松鳳山戦の挙動不審の立合いを観てると、この大関も「稀勢の里系」のメンタルなのかな、とも思う。優勝争いで「これ以上ないぐらい有利な状況」というのも、結構なプレッシャーなんだろう。
明日の貴景勝戦、豪栄道立合い変化しそうだ。絶対やめたほうがいいんだけどねえ。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
2回も立合いに突っ掛けて、「オレは悪くない」という表情の松鳳山に、豪栄道は乱されたのでしょうか。松鳳山は元々があの顔ですけど。貴景勝もまた先輩譲り?の引き技が出て、嘉風に苦杯。どちらが先に引くかも注目ですね。