日馬富士

日馬富士 の相撲が輝きを見せ、そして 豪栄道 への吊り落としから丸10年です





様々な角度から様々な意見が、SNS等にて飛び交った大相撲秋場所も千秋楽を迎えます。横綱の在り方、巡業の在り方、果ては相撲協会の経営方針までも。それでも、まずは土俵。

そしてその土俵で、日馬富士が最終盤に見せた相撲は「これぞ大相撲」の一つの形と言えたと思います。「これぞ大相撲」というと照れくさいので、一つの形と書き加えます。

4横綱の中で最も年齢が上、さらに蓄積された体の故障で大相撲ファンの日馬富士に対する想いは、かなり共有されたものでしょう。その想いを単に上書き保存するだけかもしれませんが、日馬富士について。

今場所の何日目か忘れましたが、「この力士この技」のコーナーで初代若乃花の「呼び戻し」が紹介されました。そのVTRの中での若乃花の話に、解説の北の富士も興味津々でした。

VTRでは流れませんでしたが、同じときに若乃花が語った言葉に次のようなものがありました。「『場所前に良い稽古が出来たから、今場所調子が良い』という表現を最近よく聞く。とんでもない話だ」

「その時々の調子で場所の成績が決まるなんて、結局稽古が足りないから調子相撲になっているのだ。相撲の稽古とは、そんなものではない。長年の積み重ねこそ大事、日常の生活から考えていかなければならない」

10年前に購入した相撲誌の中の言葉で、今場所で紹介されたVTRのときの話と同時に納められていたものです。「調子相撲」という言葉は、本当に使わなくなりましたね。使わなくなったのは、考え方が変わったからでしょう。

昔の事を、すべてを肯定することは出来ませんが、日馬富士の13・14日目の相撲は長年の積み重ねを強く感じさせた相撲でした。勝つために積み重ねたものではなく、強くなるために積み重ねたものだと。だからこそ御嶽海に両差しになられても、堂々とした相撲がとれたと思いました。

複数の横綱・大関が休場した場所での10勝4敗、相対的な数字では測れない、絶対的な相撲の美しさを日馬富士は見せてくれました。さて千秋楽は、豪栄道との決戦です。

ちょうど10年前の秋場所、新入幕で大躍進の見せた若手力士を、「三役をなめちゃ困る」と言って吊り落としで投げ捨てた日馬富士。そしてその時の若手力士、豪栄道。

若乃花の言葉も10年前、千秋楽は10年間に亘る一つの時代の節目の一番になりそうです。10年前の若乃花の言葉は、こう締めくくられます。「現役時代のワシに似た、安馬の相撲ぶりに注目している」

大相撲力士名鑑 : 日馬富士

 

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2件のコメント

  1. 日馬富士の一場所4金星配給が批判の対象となったが、豪栄道の3敗も全て平幕力士だ。
    金星と銀星は全く重みが違う、と言われれば、その通りですと返すしかないのだが、この混戦場所にとにかく収拾をつけただけでも、横綱と大関はその職務を果たした、と言える。

    たぶん日馬富士のあの左肘、もはや左腕全体がまともに使えない状態なんだろう(今場所左上手投げを出したのは場所途中から出場してきたばかりの碧山戦ぐらいか)。本割・決定戦の連勝は難しいだろう。豪栄道が優勝と予想します。またあの「挙動不審の立合い」が出たらわからなくなるが。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    千秋楽の日馬富士には、感動しました。言葉で表すのも難しい感情です。変に書くと、臭くなりますので。豪栄道は、残念ながら私の期待した相撲は見せませんでした。これが横綱と大関の差、それが地力の差か、精神面の差なのか、たぶん両方を含んだものなのでしょう。

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