嘉風

嘉風 は久々に名関脇と呼べる関脇ですね「型」を持った力士です





日馬富士は「名横綱」と呼べる域に・・・と前に書きましたけど、名横綱の呼称以上に名大関も難しいものです。勝率などを参考に、魁皇だ、小錦だと。私は「その力士の資質を存分に発揮し、その地位で技量を極めた力士」と、勝手に定義しております。

だから、名大関としてパッと浮かぶのは琴ヶ濱・栃光・貴ノ花・旭國といった、比較的に体の大きくない大関。もちろん多くの記憶を刻ましてくれた小錦や魁皇、異能の貴ノ浪に真っ向勝負の武双山、この辺りは勝率に関わらずに四股名が上がります。

勝率で考えて、「横綱になれなかったから名大関」といった言い回しは変ですね。そういう意味だと「名関脇」は、さらに困難を増した呼称となります。長谷川や琴錦を「最強の関脇」と呼んでも、「名関脇」とは呼びにくい。

まぁ、時の流れとともに、長谷川を名関脇と呼んでも違和感がないのかもしれませんが、思い浮かぶのは鶴ヶ嶺・初代栃東・鷲羽山・・・。若の里は違うかな、やはり体の大きさは名関脇にはハンディキャップになる気がします。極端に大きくなると、高見山は逆に名関脇っぽいですけど。

なので嘉風は、本当に久々に「名関脇」がピッタリとくる関脇です。そして人気があります、大相撲のSNSなどを見ると。35歳とは思えない、あの顔。さらに、味わい深いコメント。

技能賞4回の嘉風ですが、真っ向勝負の正攻法の技巧派。まさに現代相撲の技能賞力士という感じです。足も掛けなきゃ、手も取らない。ベテランなのに、いやらしい相撲ではない、若々しい相撲。いやらしい相撲の技能賞は、荒鷲や千代翔馬にお願いしましょう。

実際のところは正攻法とはいえ、常に相手を観察しながら攻めている嘉風。実は本格的に、いやらしい力士と言えるかもしれませんね。あの爽やかな顔とコメントで、辛辣さが見えにくい辛辣さ。

いわゆる技能派力士らしい決まり手も、以前に琴光喜の内無双を見たときは微妙な感じで、二子岳や増位山とは違う、「有難みの無い」内無双でした。滅多に見れない決まり手への「有難み」は、入幕当初の宇良への声援もそうですが、嘉風は正攻法の中に「有難み」を感じさせてくれます。

かつての麒麟児VS富士櫻のような激しさと、その中にある嘉風らしい攻守のタイミングの妙。そのタイミングとはもちろん、相手が引く瞬間を捉えて一気に攻める、これが嘉風の真骨頂。

「突き押しで攻め込んでいても、どこかで相手は必ず引く」、この展開を制し始めてから嘉風は台頭し、今やその業界?のトップに位置しているのかもしれません。

千代大龍は「業界」の単なる象徴だけど、嘉風は違う。豪栄道の小手先の引き技など、嘉風にとっては「ちゃんちゃら、おかしい」のレベルだろう、豪栄道と嘉風の対戦成績は知らないけど。

最近の相撲内容は、かつての琴錦に似ているはずだが、あまりイメージが重ならないのは、天才型の琴錦に大器晩成の嘉風の違いでしょうね。仕掛ける印象が強い琴錦に、全方位対応型の嘉風、似ていて非なるものか?

そう意味では自分の型を作り上げた嘉風は、やはり「名関脇」と呼ぶに相応しい。あんまり名関脇って書くと、大関を期待している嘉風ファンに怒られそうだ・・・。

大相撲力士名鑑 : 嘉風

 

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2件のコメント

  1. 嘉風のウィキペディアによると、琴錦は嘉風の相撲について、
    >>(2017年)3月場所前の琴錦の論評では千代の国とまとめて「ただ動き回るという印象の相撲です」と言われ、同時に「嘉風も激しい相撲を取るので観客は沸きますが、いつも顔にケガをしています。相撲のうまい人はまず顔にケガをしないものです」と厳しい評価を下されている。
    なんかボロクソだが、確かに秋場所でも流血戦が何番かあった。琴錦vs嘉風戦が観たいなあ、と思う。琴錦の全盛期には、145㎏あってあんな動き回る力士がいたかな?
    豪栄道vs嘉風は(十両時代も含めて)嘉風の12勝10敗という対戦成績となっている(参考・相撲レファレンス)。豪栄道の「両手猫招き」みたいな引き技が出たら、嘉風ラッキー!という感じなんだろう。

    ウィキペディアに>>2017年9月の報道によると、嘉風は網膜剥離で2度の手術を経験しており、左目の視力は0.02しかないという
    とあった。現役力士に失礼だろうが、どうかあまり無理をしてくれるな、と思う。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    琴錦VS嘉風、見てみたいですが、琴錦の嘉風に対する評価の厳しさは「へぇ~」という感じです。「相撲のうまい人は顔にケガをしない」という言葉は、以前に落合が「デッドボールは当たる方がヘタなんだよ」と言ってたのを思い出しました。琴錦と落合は、私にはイメージがダブります。琴錦が天才肌の落合風なら、嘉風は30歳からスーパースターになった山本浩二? 広角打法の落合と山本浩二も、似ていて非なるものですね。

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