武蔵川理事長

「貴の乱」を読んで最初に思ったのは、出羽ノ花の武蔵川理事長のこと





「貴の乱」を購入してしまったわけですが、読み始めてから思い起こしたのは出羽ノ花の武蔵川親方、いや「貴の乱」から想起したという点では武蔵川理事長というべきでしょう。

「貴の乱」のお話は、まずはブローカー的な人物の話になるわけですが、相撲協会のようなレベルの資産を動かしている団体に、そういうブローカーが近づくのは致し方ないことか。

そんな輩が相手でも、武蔵川なら何のことは無い、キッチリと見極め、排除すべきは排除したでしょう。本当に長い期間において、相撲協会の屋台骨を支えてきたわけですから。

力士としては平凡。年寄となった後も、師匠から若者頭転向を勧められる存在。その反発から、巡業の仮小屋建設を独学で習得したり、経理を身に付けたと思われます。

出羽ノ花

力士出身初の理事長の出羽海、世俗からの距離感がありそうな時津風、たぶん武蔵川抜きでは相撲協会は力士だけでは成り立たなかったと、今現在の状況を見ると、改めて強く思う。当時は、普通の、当たり前の事と思っていたことが。

その後は武蔵川自身が理事長として相撲協会の近代化を進めたわけですが、同じ出来事でも「是」と「非」の両方で語られることもあり、そこに武蔵川の人物の奥深さを感じてしまう。それが「非」であっても。

九重部屋独立に関しては、佐田の山の出羽海継承とともに「佐田の山VS北の富士」の黄金カードが実現するという大所高所からの判断と伝えられておりますが、実は北の富士に対する武蔵川の真意の程は微妙だったとも・・・。

理事長就任当初から勝負判定の改正に着手し、昭和44年夏場所からのビデオ導入を進めていたところに「世紀の大誤審」。「もう一場所早ければ」と武蔵川は無念であっただろう・・・かと思えば、ビデオに対する否定的なコメントと大鵬に対する無慈悲なコメントも伝えられている。

不可解な部分は、時の流れのせいもあるでしょう。そして理事長としての評価も様々でしょう。それだけ、武蔵川が複雑な面を持っていたのかも。政治家的な人物であり、ビジネスマン的な人物でもあったでしょう。少なくとも「貴の乱」に出てくるブローカー的人物に惑わされることは無かったでしょう。

仮小屋建設や経理などの実務だけでなく、政財界人や文化人との交友関係も幅広く、やはり巨大組織を支える器の人物だったのは間違いないようで、それは一門の栃錦の春日野や、直系の佐田の山にも多少なりとも感じられる。

それで今はどうなのだ、というのは「貴の乱」をもう少し読み込んでからということで、武蔵川を当たり前ではなく稀有な存在だと考えれば、のんきにワイドショーを見ているわけにはいかない気になるけど。

大相撲力士名鑑 : 出羽ノ花




4件のコメント

  1. まず「別冊宝島」という文言に引っ掛かって、一生懸命週刊誌サイズの雑誌を探していたら、この本、単行本だったんですね。いや、ちょっと調べたらわかる話なんですが。私もこのブローカー的人物のカモにされそうです。
    本のタイトルは「貴の乱」ですが、実質「(ブローカー的人物)の乱」ですな。
    しかしこれだけ相撲協会内でやりたい放題で、人物像がよくわからないのが凄い。画像も「裏金動画」のスクショしかないし。なんか一枚も二枚も上手という感じがします。

    武蔵川理事長、双葉山の時津風理事長より3歳年長で、おそらく時津風理事長が56歳で亡くならなければ、ずっとナンバー2の地位にいるつもりではなかったか。
    現在の相撲協会だと、尾車事業部長が近い気がする。相撲協会の理事長として表舞台に立つのは八角理事長で、頭脳担当が尾車事業部長じゃないか、と推測します。
    何年か後、相撲協会を救ったのは尾車親方だった、という結末を期待します。

    「貴の乱」、原田久仁信先生の劇画から後、不要なんじゃないかなあ。三宅充先生も相変わらず「今の力士は稽古が少なくなった」って50年ぐらいずっと仰っておられるし。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    尾車親方は、以前にテレビ局に入る模様を見たことがありますが、相手の立場に関わらず腰の低い方だという印象でした。さすがに「まわり道」をして苦労した人(本当に大変なケガだったので、楽曲の洒落は洒落にならないが)だと感じました。方向を見誤らない人だという、信頼感はありますね。

  3. 尾車が相撲協会救った?馬鹿じゃないか!今相撲協会で一番問題なのが尾車。貴ノ岩が診断書を出した病院の医師と行きつけで懇意にしており、貴ノ岩の診断書を貴ノ岩の許可を得ずに勝手に取り寄せる犯罪行為をしたのもこの尾車だ。貴ノ岩の傷は軽くて相撲は取れると、そして極め付きは重症と言われている事にビックリしていると。これ全部尾車が言わせたり書かせたりした、こんな悪党いないよ。

  4. 浅田保博さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    今回の貴ノ岩の件は私も知らないことが多くて、いろいろなことが起こっているのですね。なかなか興味を引かない部分は知ることも少ないので、難しいものです。

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