竜電

竜電 が今一番「大相撲」を見せてくれる力士だ、個人的な意見だが





大相撲春場所、私は場所前に阿炎・輝・竜電を注目の力士に上げました。そして竜電に関しては初場所に続いての注目力士と書いたわけです。

中卒力士、その体格、取口。ついつい思い入れが強くなる力士。ケガで苦労して番付を上げたところも、その想いを強くする。だから、贔屓目で書いている部分も当然あるが。

千秋楽で勝ち越した竜電、また一つの階段を上った、という感じです。強くなったというよりも、成長したという感じ。そして私のブログタイトル「大相撲になりました!」の意味での「大相撲」に、その相撲内容は近づいている、と思う。

「大相撲になりました!」という大相撲中継でのアナウンスは、相変わらず聞く機会は非常に少ない。「今の相撲は、攻防がありましたね」は、よく聞くが。

押して押して、それから引いて。攻守が交互に目まぐるしく入れ替わる相撲は多い、むしろ増えている。しかし、そういう攻防の変化がいくら激しい相撲でも、「大相撲になりました!」とは言えない。

竜電の相撲の展開は、どちらかというと地味かもしれない。差し手争い、おっつけと絞り、頭をつける、出し投げ。そのいちいちの動きが、しぶとくそして理に適っている。だから地味だが、実に濃密な攻防になっている。

そしてその動きの中で、「力が入った」相手力士を制する。最近相撲で、相手力士だけが「力が入る」場面を見るのは珍しい気がする。「力が入る」って相撲言葉も、あまり使わなくなった。

14日目と千秋楽、熱戦を制して竜電は勝ち越した。特に千秋楽は、朝乃山に得意の右四つになられながらの勝利。相撲は、完全に朝乃山の相撲の型だった。

この相撲で私が感じたことは、力士の相撲の型とは「作る」ものではなく、「稽古の中から、自然に出来上がる」ものだということ。初代若乃花がよく言っていた言葉だ。

ちなみに重量級の力士が小さい力士に体重を掛ければ、小さい力士は「力が入る」。しかし足腰の良い力士が頭やアゴでプレッシャーを掛けた四つ身だと、大きい方の力士に「力が入る」。

もう一つ、筋トレで筋肉が張っている力士も、筋肉は当然だが基礎代謝が高い。「力が入りやすい」体だ。しぶとくしぶとく相撲をとれば、竜電が俄然有利になる展開になる。

見えてきた、来場所は竜電の相撲の型が完成する場所だ。目を凝らして、3場所連続で注目の力士に上げよう。昔のブログから数えて11年、3場所連続は新記録だ。竜電、おめでとう。全然、うれしくないだろうが。

大相撲力士名鑑 : 竜電




2件のコメント

  1. 「大相撲になりました」「力が入る」確かにあまり聞かなくなった相撲用語だ。
    「固くなる」(緊張する)は「プレッシャーがかかる」に変わった。
    最近は「タニマチ」も「支援者」と言うらしい。アノ部屋だけかも知れないが。

    竜電、5連敗のあと5連勝で勝ち越しだ。過去の星取表を見ると、結構連勝・連敗が多い。
    「ツラ相撲」(これも最近聞かないなあ)タイプではないと思うが、不思議だ。

    蒼国来が大ケガをして、十二日目は竜電の不戦勝になったが、これは観たい一番だった。苦労人で本格派四つ相撲同士の対戦だ。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    竜電と蒼国来、今一番「大相撲」の匂いのする取組ですね。高田川部屋VS荒汐部屋の取組は、すべてそういう匂いが、これからしそうな期待です。よく現在の力士を、昭和の力士と比較する私ですが、竜電の取口は厳密に見ると、誰にも似てない個性があると言えます。

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