いつの間にか、夏場所も中日。栃ノ心の大関獲りが話題の中心だが、それ以上に大相撲人気の盛り上がりの方が話題のような気がする。相撲内容の盛り上がりとともに。
7日目の大相撲中継も藤井アナと舞の海が、いかに今場所は熱戦が多いかを、繰り返すコメントに終始していた。「まだするか?」というぐらい。確かに、今場所の会場は熱い。いわゆる「温まった状態」だ。コンサート会場的な温まり方。
たしかに激しく攻防が入れ替わる相撲が多く、観客を湧かせているのは間違いない。見ていても面白い。攻防が激しく入れ替わるのは、嘉風のような攻めと変化のコンビネーションの巧さが、若手力士も含めて土俵上で展開され、そこにスリリングな相撲が生まれている。
気になるのは、今場所は何か・・・蛇の目を掃く力士が多い・・・ような気がする。気のせいか? そして土俵際で無理に残していない・・・ような気がする。
もちろん、今場所の土俵には攻防があります。しかし不利な体勢になると無理はしない。やはり、最近のケガの多さが起因しているのかも。
「力士とケガ」に関しては、稀勢の里と高安の休場で極めて注目される事案になっていたわけだが、7日目の遠藤の休場で、「力士とケガ」に対する懸念はピークに達しそうだ。
SNSなどで意見を読んでいると、ケガの原因は土俵の高さや土俵際で無理に残すことなどが上げる人が多い。だから、土俵際でアッサリと土俵を割っても、大相撲ファンは温かい目で見ている、ような気がする。
それは素直に、良いことだと思う。初代若乃花の指導のような、「土俵の外は千尋の谷だと思え」の時代ではないのだろう。それでも今の時代に、北葉山や若浪や貴ノ花のような力士が現れたら、大人気でしょうがね。
>>遠藤が右腕負傷で休場 師匠「手術するなら早めに」 [2018年5月19日15時42分]
>>https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/201805190000537.html
>>「右上腕二頭筋遠位部断裂」で約3週間の加療を要する見込みとの診断書を提出した。
>>診断書には、治療方針決定後に治療期間が変更になる可能性もあると、併せて記されている。
>>師匠の追手風親方(元前頭大翔山)は「肘に近いところの断裂。1日、2日で痛みがどうなるか。(中略)手術するなら早めにしないと」と話した。
奥歯に物が挟まったような記事だ。重傷なのか軽傷なのかぐらいは明らかにしていいと思うが、懸賞が多くて、CMにも出演している人気力士だと、休場にも本人の意志以外のものが介入してくるのだろう。
無理に再出場すると、稀勢の里や照ノ富士の悲劇を繰り返してしまうが、懸賞が何百本もキャンセルになるのも協会は避けたいだろう。でもタニマチより力士のケガの治療を優先させるべきだ。
栃ノ心が大関になれば「栃ノ心方式」=番附が下がってもいいから、ケガをしっかり治して復帰する、が主流になるのか。でも蹲踞もちゃんとできない阿武咲とか、どう見ても無理な復帰だと思う蒼国来(中日の相撲で、また負傷したようだ)を見ていると、日本相撲協会が力士のケガに冷淡で厳しい体質には変わりがないと思われる。
これまで大相撲の常識だった「無理ヘンに拳骨」や「女は土俵に上がるな」が変わりつつある。
「弱いからケガをする」のは正解なのかも知れないが、せめてケガに対する意識は変えてほしい。力士は消耗品ではない。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
遠藤も、出来る限りの治療をして復帰してほしいものです。初代藤ノ川・琴風・益荒雄・北勝海など、若くして引退した力士も多いですが、時代とともに改善されないといけませんね。私も古い部分はありますが、変えるべきところは変えるべきだと思うようになりました。