テレビで千代の富士と北勝海のぶつかり稽古をやってましたね、「平成の大相撲を振り返る」的なヤツ。昔、私が書いていたブログが「主に昭和40年代の大相撲を振り返る」って感じでしたから、平成も振り返る時代になったかと、感慨も深い。
などと感慨深く、お茶でも飲んでいる場合ではない。千代の富士と北勝海が繰り広げたようなぶつかり稽古は、今でも見られるのだろうか。
北勝海の投げられっぷりが見事だった。腰を痛めて28歳の若さで引退してしまったが、投げられ方、倒れ方がヘタでケガをしたことは無かったはずだ。当時は小錦・大乃国・双羽黒・琴風・朝潮と重い力士も多かったから、腰への負担も大きかっただろう。
スポーツ科学的には、私も大学の体育会だったけど、卒業するころにストレッチという存在を知った、というくらいに当時はまだ遅れていたし。後輩がストレッチをしているのを見て、「アレ、何やってるの?」と聞いたぐらい。私らの時代は「柔軟(体操)~」で練習開始の時代だから。
まぁ、今あれだけのスピードのぶつかり稽古は、なかなか無いでしょう。今の力士は体重もだけれど、そこにウエイトトレーニングで筋肉を付けたら、代謝も上がって、息が上がるのも速くなるだろうし。スピードだけでなく、スタミナも違うのでは。
今回のブログの画像は、千代の富士と北勝海の一世代前の高砂一門、北の富士と高見山のぶつかり稽古。高見山はヒザが固いのが有名で、さらに足も長く、とんでもない引っ繰り返り方をして負けることがあった。
そのうえ当時のライバル的存在の貴ノ花は、土俵際の粘りが大相撲史上でトップクラス。そこに思い切った逆転技を繰り出すわけだから、高見山の吹っ飛び方は尋常ではなかった。それでも、ケガは少なかった。
39歳と11ヶ月まで現役を続けられたのは、ぶつかり稽古で培われた投げられ方と倒れ方の技術があったから、あの大きな体で丈夫で長持ちでいられたのだと思う。
負け方だけで、銭がとれる力士。今の大相撲ファンにも、高見山の負けっぷりをリアルタイムで見せたいと思う。もちろん勝ち方も豪快でしたが、私は負け方に醍醐味があったと感じる。
土俵入りの入場の場面の拍手の多さなどは、YouTubeにも出ていないだろうから、当時の高見山はどれほどの人気力士だったかは伝わりにくい。初のハワイ出身力士の方が、人気力士だったことよりも前面に出てくるし。
ということでYouTubeを覗くと、白鵬と逸ノ城の3年ほど前のぶつかり稽古の動画があった。北勝海とは少しスピードは違うけど・・・、転がっております。
>>白鵬と逸ノ城の3年ほど前のぶつかり稽古の動画
見ました。逸ノ城、白鵬にマゲ掴まれて無理矢理起こされたり、蹴り飛ばされたりしているけど、なんか笑ってしまう。動画のコメント欄に「笑うなんてひどい!」とあったが、これは逸ノ城のキャラクターなんだろう。
高見山も愛嬌のあるキャラクターで、勝っても負けても大相撲ファンから愛された。
上の画像で高見山に胸を出してる北の富士も、ぶつかり稽古の写真が相撲雑誌によく出ていたと記憶している(胸を出していたのは高鉄山だったか。後年、いろいろ暴露以下略)。
でも北の富士は、現役時代から現在まで、泥臭いイメージは全くない。これもキャラクターだろう。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
SNSのコメントなどを読むと、逸ノ城は特に女性ファンには「可愛らしさ」を感じさせる力士のようです。私の身近の大相撲ファン(男性)は「逸ノ城はいつも怒ったような顔をしている」と感じている人もいます。男性と女性で印象が違うのだなぁと思うとともに、北の富士は男女問わず、キャラクターを完成させたところは凄いの一語です。