竜電

竜電 と 錦木 は、御嶽海と貴景勝との取組もワクワクしてくる





九州場所も初日を迎えるわけだけど、相撲部屋も福岡市外も多くなったから、昔ほど近場で力士を見掛けなくなったような気がしないでもない今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

今場所は高安栃ノ心が優勝争いを引っ張っていけるか?、そこに絡む上位初挑戦の竜電・錦木も楽しみだ、と前回・前々回で書いてきた。どんな相撲になるかという点では、竜電・錦木と御嶽海貴景勝も興味深い。

武骨な力士、という言い方で間違いはないと思う竜電と錦木。対して御嶽海は洗練された力士と言っていいだろう。前回、錦木を「地力は充分だが、それを展開の中でどう発揮していくか」みたいなことを書いた。その相撲の展開において、最も力を発揮してくるのが御嶽海だ。

御嶽海の相撲の型は、学生相撲出身力士が多い現代相撲の究極の型だと思う。離れても組んでも相撲が取れる、というのが学生相撲出身の力士の傾向。その押し相撲と四つ相撲の使い分けのタイミングが、まさに絶妙なのが御嶽海だ。

イメージとして似ている力士に横綱北勝海を上げたことがあったが、かなり違う。北勝海は元々が四つ相撲の力士で、そこから押し相撲を覚えていったので、押し相撲へのこだわりが強かったし、そういう相撲になっていた。

御嶽海の押し相撲と四つ相撲のコンビネーションはナチュラルだ、説明が難しいのでカタカナで誤魔化しているが。武骨に攻め込む竜電・錦木に、御嶽海がいかに対応するか。楽しみな取組だ。

そして御嶽海が究極の型なら、進化形は貴景勝。言うまでもなく、千代大龍の進化型だ。まず言えるのは、今の力士の突き押しは、突きの引き手が遅いから、突きと押しの区別がつきにくくなっている。阿炎も、まだまだ遅い。

貴景勝はリーチの短さも関係するのか、突きの引き手が速い。だから次の攻撃が速いし、もちろんその攻撃には叩き込みも含まれる。それを可能にする体のバランス、あの丸っこい体を前傾に保てる身体調整能力の高さがあってこそだ。

だから貴景勝には千代大龍のような、リスクのある引き技が少ない。これも従来において似た力士を知らない、相撲の型だと思う。さらに磨かれるだろう。

究極と進化、そして御嶽海と貴景勝ともにアマチュア相撲のエリート。そこに叩き上げの遅咲き、武骨な相撲の型の竜電と錦木が挑む。相撲の展開を予想するだけでも、充分にワクワクしてくる・・・と私は思う。

大相撲力士名鑑 : 竜電 錦木




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