大相撲春場所も後半戦に入ったが、好調だった大関の豪栄道と高安を連破した逸ノ城が台風の目的な存在になってきた。相撲内容は微妙だけど。
若手力士と呼ばれる中では貴景勝が目立つだけで、他は現状維持、というのが正直なところだ。有望力士の先輩格の逸ノ城が、この現状維持の間隙を縫うように台頭した、というべきか。ただ、今のところはその勝ち方、つまりは強い勝ち方をしていない印象があって、大関候補に名乗りという雰囲気ではない。
貴景勝以外の若手力士について思うのは、もちろん体重のこともあるが、それも関連するけど、長い相撲では弱い、ということだ。そして取組後に大量の汗をかいている逸ノ城も、同様に長い相撲に強そうじゃない。ざっくりと言ってしまえば、若々しくない。
だから豪栄道にしても高安にしても、四つになってから、じっくりと攻めて、逸ノ城を疲れさせてほしかった。豪栄道は懐の深さが違うし、両差しだったから致し方なかったが、高安にはもっとどっしりと構えた相撲をとってほしかった。
実際のところは、高安はじっくりどっしりの相撲を、あまり見せたことは無いので、無いものねだりなのかな。基本パワーの力士だし、それに逸ノ城に上手を引かれたくない、という意識も強かっただろう。
突き落としや小手投げなど、どちらも逸ノ城ならではのスペシャル技かもしれない。「ウルフスペシャル」などとは違って、ちょっと淡白に感じるスペシャル技だが。
大相撲ファン大喜びといった取口ではない。「右四つ左上手」で攻める型ならファンの反応も違うだろうが、しかし左上手を意識させてから決まる突き落としや小手投げは、逸ノ城の強さの証明にはなる。嫌がられることで、強さを証明している。
取口がどうのこうの言っても、13勝2敗とかそれが続けば、当然大関の声が掛かる。今の取口で13勝ぐらいの成績を続ければ。相撲内容よりも勝ち負けで、むしろ分かりやすく強さを感じさせる力士というべきか。
白鵬が34歳になり、貴景勝以外の若手力士が群雄割拠というよりも星の潰し合いをする中で、白鵬の挑戦者として逸ノ城は相応しいのかもしれない。白鵬なら逸ノ城をスタミナ切れさせる四つ相撲を取れるだろうが、場所を通じてのスタミナはどちらに軍配が上がるかは分からない。
一年振りの逸ノ城のコラムなのに、あまり好意的な内容ではないような・・・。しかし攻め重視の最近の若手力士に対して、個性を持っている存在とも思う。
「千代の富士スペシャル」は、大きく体を開いて決める上手投げだったが、逸ノ城は2,3歩後ろに下がって、右で相手の首を抱えて左から上手投げを決める。四日目の隠岐の海戦は
>>https://www.youtube.com/watch?v=_mV9UgY67_U
他のどの力士もこんな技はできない。「逸ノ城スペシャル」と呼んでいい。
身の毛もよだつ投げだが、逸ノ城の妙に愛嬌のあるキャラクターが怖さを消している。
>>●…碧山(1敗同士の逸ノ城戦で黒星)「悔しいは悔しいけれど、やりたいことはやった。重かった。しょうがない」
>>https://www.sanspo.com/sports/news/20190320/sum19032019410008-n1.html
198㎏の碧山に押させるだけ押させて、叩き落とした。
もう上位を狙っていい。少々遅いぐらいだ。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
逸ノ城の愛嬌あるキャラクターが怖さを消している・・・豪栄道や高安の攻め急ぎは、充分な体勢になったときの逸ノ城の怖さゆえ、という気もしますが。対戦相手の感じる怖さと、ファンが感じる愛嬌のギャップが、逸ノ城の魅力なのかもしれませんね。どんな魅力?