千代大龍

友風 と 千代大龍 に見る、引き技の進化は止まらない、AIの進化が止まらないように





大相撲秋場所は、ますます混戦の様相を呈しております、などと書き出しているが、本物の混戦なので、優勝争いなどはギリギリまで考える必要も無さそうだ。

鶴竜がまさかの3連敗、というよりも友風の引き技にやられたのがインパクト大。意表を突かれたとかじゃなく、真っ向勝負の引き技(矛盾はしてない、しているようで)なので、なおのこと。

ひと昔前(本当に10年ぐらい前)、引き技がよく決まるのは、重量級の力士が増えたからと思っていた。しかし今、引き技がよく決まるのは、技術が向上したというのが正解だと思う。いや、思うではなく、正解でよろしいだろう。

一日に何番も取る、アマチュア相撲の大会で勝ち上がるためには、スタミナの消耗を抑えて勝つ、引き技が有効だと考えられる。だから高校相撲・大学相撲出身力士は引き技に熟練している、これも正解でよろしいかな。

かつて豪栄道が流行らせた、相手の突き手を下に払う引き落としも一つの新技だ。友風が鶴竜に仕掛けた叩き込みも、一瞬肩透かし気味に差し込んで(本当に一瞬だ)、そこから叩いている。洗練された引き技だ。

もう一つ、よく決まる引き技に、ヒジを90度ぐらいに曲げて、相手の首に引っ掛けるようにして引く叩き込みがある。レスリングの首の取り合いのような、プロレスの試合開始に見られるロックアップにも似ている。

これはレスリング出身のヨーロッパ出身力士が始めたのかなぁ、と思ったが微妙だ。これは、実によく決まる。そして真打登場の、貴景勝戦の千代大龍。これは碧山が一時流行らそうとした「押しつぶし」。

上背のない貴景勝に、もっとも有効な引き技。手練れの千代大龍。もう引き技は、投げ技に近い扱いになるのかも。引き技の進化は止まらない。

大相撲力士名鑑 : 千代大龍 友風




2件のコメント

  1. 友風、入幕後4場所で33勝(秋場所中日終了時)しているが、うち20勝が叩き込みだ。
    (参考・■853 「叩き込み」が目立つ友風はこのままで戦い続けられるのか
       >>http://blog.livedoor.jp/search_net_box/archives/38516422.html)
    十両時代はもっと前に出ていたと思うが、入幕後は押せなくなったのか、叩き込みを多用するようになった。と思っていたが「真っ向勝負の引き技」「積極的叩き込み」というものを認めざるを得なくなった。なにしろ鶴竜から2場所連続金星だ。
    ただ、大関を目指すなら、やはり前に出ないと、と考えてしまうのは、もう古いんだろうなあ。
    友風は「引き技の牽引者」となった。なんか引いてばっかりだ。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    友風が「ポスト千代大龍」となるか、大関候補に名乗りを上げるか。今の相撲のままで大相撲の看板を背負うことになれば、何かが変わるような感じがします。考えてみると、柔道などは「技」はすべて平等に「技」なわけですから、大相撲ファンの認識も変化するときが来るかもしれませんね。いや・・・すでに来ているのかもしれません。信じるか信じないかは、あなた次第です・・・。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA