大相撲春場所も、いよいよ終盤戦。白鵬が2敗目を喫し、碧山が単独トップに立ってしまった。恐い。それにしても荒磯親方の「いるところにいない」という正代の相撲に対する解説は秀逸だ。
白鵬の張り手は「いるところにいない」正代の顔面を追い求め、追い付いたときには棒立ちに近い状態だった。なるほど、そうだったのか。正代の相撲の型は、実は「打倒!白鵬の張り手」のために作り出されたものかもしれない。信じるか信じないかは、私しだいだ。訳が分からん、どうもすみません。
今場所初めて、鶴竜について書く。進退が懸かってもおかしくない場所で、ここまで2敗。ちょっと前に白鵬の35歳に焦点を当ててコラムを書いたが、夏には鶴竜も35歳になる。初日のテレビ中継で「調子が良すぎて、稽古のペースを落とした」という話で、聞いていた北の富士が驚いていたが。
今場所の鶴竜の立合いは低いし、頭から行っている。堅実で、謙虚な立合い。根気強い相撲。必ずしも強い、という感じは無い。しかし負けられないという意識が、相撲からにじみ出てくるようだ。
若手力士が小さい相撲を取ると「謙虚な相撲」と皮肉を込めて、良くない意味で私は書くことがあるけど、鶴竜の謙虚な相撲には、むしろ綱のプライドを感じるな。
35歳といっても白鵬は体も大きく、体型も力士体型。柔軟で、ケガにも強い。鶴竜には、そういう特別と言えるような要素は無い。普通だ。それで35歳で綱を張るというのは、これは特筆ものと言っていい。
白鵬の張り手と、そして頭から行く鶴竜、この好対照。さらに朝乃山との絡みもあって、最終盤は大いに盛り上がりそうだ。アレッ、碧山は誰と絡む。
>>正代の相撲の型は、実は「打倒!白鵬の張り手」のために作り出されたものかもしれない。
「あしたのジョー」の矢吹丈のノーガード戦法か。あんな立合いアゴ上げて「張ってくれ」と言わんばかりだが、白鵬は罠に掛かってしまった。
4年前の5月場所では、白鵬の右張り手で正代が体勢を崩した。ほぼこれ一発で決まった。
>>https://www.youtube.com/watch?v=TvjhXyS8u_c
4年間で正代は「アゴ上げ怪物」と化した。ただ、鶴竜戦は13戦全敗と全く歯が立たない。同じ時津風一門で稽古しているからだろうが「謙虚な相撲」が正代は苦手なようだ。
白鵬敗れて、碧山が勝って1敗単独トップだ。十四日目、通常なら白鵬VS貴景勝だが、ワリ崩して白鵬VS碧山と予想する。いくらなんでも2場所連続平幕優勝は許されない。まして横綱・大関は皆勤している場所だ。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
今日の白鵬VS正代は「こんな展開もあるんだ」という、大相撲の面白さを感じさせてくれる一番でした。これだから大相撲は面白い、みたいなキャッチコピーが出来そうです。白鵬VS碧山ですね、鶴竜も碧山に強いので、ここはどちらが選ばれるか楽しみです。どちらも選ばれないことは無いでしょう、あったらビックリ。