朝乃山

令和2年3月場所は後年に語り継がれる伝説の場所となった、そして5月へ祈ろう





無観客場所となった春場所が終わった。ここに来るまでの尽力には頭が下がるし、「スポーツで勇気をもらう」という言葉は嫌いだが、今回は勇気をもらえたと思う。そして、夏場所が通常開催できることを祈るばかりだ。

無観客で歓声は上がらなかったが、14日目の鶴竜VS朝乃山は本当に良い相撲だった。白鵬VS正代や炎鵬の八艘飛びなど印象に残る相撲も多く、長く記憶に留められる場所になった。

久々の横綱同士の相星決戦、今場所は立合いの厳しさが際立つ鶴竜が先手を取ったが、白鵬の巻き替えの呼吸の良さ、巻き替えてからの相撲にも隙が無かった。鶴竜も精一杯だっただろう。両横綱ともに、見事に綱の責任を果たした。

臨時理事会の招集とのこと、これで朝乃山の大関昇進も決まった。場所が始まったころは、朝乃山の大関昇進のラインは12勝と書いてきた私だが、14日目の鶴竜戦の相撲内容で気持ちが変わった。それにやはり、この大変な状況の中で春場所をやり切った、この雰囲気が大きい。

雰囲気で良いのかって言われれば、それで良いのだ。雰囲気というのは、目には見えない何かが伝わっているということだ。目には見えないものには、大切なものが多い。

貴景勝が不調とは言え、朝乃山の圧勝だった。相撲内容が重視される一番で、文句の無い相撲。数字や勢いではなく、内容で認められたのだから、期待に応えてくれるはずだ。

十両では琴勝峰が、本当に強い勝ち方で優勝した。大関候補というよりも、横綱を狙える力士が現れたと言うべき力士。朝乃山より5歳若く、体は同じぐらい。琴勝峰の出現は、朝乃山にも好影響を与える可能性が高い、と私は思う。ライバルの出現、というヤツだ。

白鵬の35歳にしての44回目の優勝、鶴竜の真摯な土俵、朝乃山の大関昇進、次代を担う琴勝峰の十両優勝。令和2年3月場所は、後年にまで語り継がれることになるだろう。多くの大相撲ファンが忘れることはないだろう。私は、忘れない。

大相撲力士名鑑 : 白鵬 鶴竜 朝乃山 琴勝峰





砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. >>ここに来るまでの尽力には頭が下がる
    八角理事長が協会ご挨拶で声を詰まらせた。いずれNHKでドキュメンタリーが作られるだろう。
    コロナ禍で「スポーツニュース」が「スポーツ中止ニュース」となっている令和2年3月、無観客でも十五日間の公式戦を成功させた。「快挙」だと考えるが、
    >>西村担当相が自粛要請のK-1 予定通り開催 半券に氏名記入、物販は屋外で さいたま
    >>https://mainichi.jp/articles/20200322/k00/00m/050/103000c
    まだ手放しでは喜べない。「愚行」だと思う人のほうが多いようだ。

    朝乃山は「横綱に昇進できる大関」だろう。ライバルとなるであろう琴勝峰とは、年齢差から判断して「輪島・北の湖」との関係性に近いか。琴勝峰があっさり朝乃山の頭を踏みつけて乗り越えていく可能性もあるが。
    初日は「観客の声援を剥ぎ取ると、大相撲はこうなるのか」と驚いたが、千秋楽になると「観客いなくても、相撲面白いや」と思うようになった。
    オリンピックがどうなるか、日本がどうなるか、世界がどうなるか、誰も正しい答えは出してくれないが、相撲は面白い。今日はそれでいい。次の本場所のことは、また考えることにしよう。

  2. shin2さんへ
    歓声は聞こえないのに、今場所ほど大相撲の素晴らしさを感じさせてくれた場所は無いのではないか、と思っています。前回の東京オリンピックがあった年に大相撲を見始めた私が、二度目の開催の年にこんな気持ちになったことは、感慨深いし、改めて大相撲を見続けて良かったと思います。白鵬と鶴竜、朝乃山と琴勝峰、まさに節目の場所にもなりました。私のブログのタイトルそのまま「大相撲になりました!」

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