令和3年1月場所が始まった。コロナを原因とした休場が多い。だから番付的には、昇進の基準を厳しくするべき、と考える人もいるだろう。しかし上位陣が多かったり、一人大関だったりと、番付に運は付き物だ。あまり考え過ぎなくとも、と私は思う。
で、綱とりの貴景勝がいきなりの黒星。貴景勝の間合いを作れなかった。あの間合いが無いと、貴景勝の突き押しはあまり効かない。あまり効かなかったから、あの間合いが作れなかったのか。ヒザが悪いから太るのか、太るから~のCMなら「どっちも~」と叫ぶのだが。
御嶽海も根気強かった。少しでも前傾姿勢を保ち、貴景勝に距離を作らせなかった。いつもは巧さ勝ちや作戦勝ちの御嶽海だが、今日は根気と粘り強さと意地の勝利。取口にも勝利インタビューにも、謙虚さを感じた。そういうときの力士は強い、ことが多い。
強かったのは、ひょっとしたらの大関とりの可能性の照ノ富士だ。理詰めの取口、が今場所も照ノ富士のテーマになる。力に頼らず、常に土俵の広い方を背にして相撲を取る、これが出来ているかが大関とりを左右する。初日は期待の琴勝峰を、前に出る相撲で圧倒した。
先場所の北勝富士戦、北勝富士の体が浮くような、豪快な上手投げを見せた照ノ富士。しかしこれも力で浮かせたのではなく、前に出ていたから北勝富士の重心が照ノ富士に追い付けなくて、それで浮き上がったと見えた。以前の照ノ富士以上の照ノ富士へ。だから大関復帰だけでなく、それ以上を期待してしまう。
そして、相変わらず正代の立合いは凄い。相変わらずというより、ますます凄くなっている。下半身の強靭さが特に際立つ。そこから当たりの強さが生まれている。あのアゴも、逆にあのアゴがあるからこそ、当たりの威力が生まれているのでは、とさえ感じる。
先日見たYouTubeで落合博満が「真似るべきは広島の前田と川上さん、真似たらだめなのは王さん、イチローとオレ」と言ってたけど、体は開きっ放しでも、盤石の下半身でホームランを打っていた落合と正代が重なる。言い過ぎか?
正代、二日目の相手は高安、いつも胸と胸で当たって凄い音がする対戦だが、高安は頭から当たってきた。正代は受けて前に出て快勝した。
正代の立合いは誰も真似しろとは言わないだろう。ただ、これで勝っているんだから正解だ。相撲のセオリー無視だが、力で捻じ伏せた。強い。
二日目の照ノ富士は阿武咲に口を破壊?されたが、
>>https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202101110000758.html
絶好調の阿武咲に当てられたのが不運だったか。
二日目終了時で優勝争いは正代・阿武咲・大栄翔に絞られた、というのはいくらなんでも気が早いが、コロナ禍の中、好調に仕上げてきたのは素晴らしい。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
阿武咲と大栄翔の破壊力のある攻めが目立った3日間でしたね。照ノ富士と正代が、その地力で優勝戦線に残って盛り上げてほしいところです。初場所は初優勝力士が続いてますが、今年も、ひょっとしますか。さて・・・。