琴風

Kanji for Natural Phenomena~自然の現象





力士の四股名には、自然の現象を意味する漢字もよく使われています。これもまた五穀豊穣を祈る神事ということから、自然への畏敬の念の現れでしょう。また日本人の精神構造の中に、自然への強い憧憬の想いがあります。古来から有名な文学作品には、しばしば自然への想いが現れています。力士の四股名にも、自然の美しさ、雄大さ、厳しさを意味する漢字が使われています。

“旭” ~読み方  あさひ

朝、昇る太陽とその光、自然の中でも太陽の存在は特別のものでしょう。特に五穀豊穣という点からも太陽は絶対的な存在です。1970年代に相撲博士のニックネームで知られた名大関“旭國”(あさひ・くに)の登場後、旭は彼の弟子に受け継がれている漢字になっています。

“光” ~読み方  ひかり・みつ・こう

ここでの光は、以前は自然の光を意味していることが多いものでした。朝の光は太陽の恵みを意味し、雷の光は自然への畏怖の念を意味し、また自然の光を意味した四股名もありました。最近の傾向は自分自身を光り輝かせるという意味での漢字として、光が使われている場合がようです。自然から個人へと日本人の精神構造の変化を表しているのか、興味深いところです。

“風” ~読み方  かぜ

300年以上前、伝説的な強豪横綱“谷風”(たに・かぜ)という力士がいました。谷からの風というと、力強く自然の厳しさを感じますが、風そのもののイメージは爽やかさでしょうか。1980年代に活躍した大関の“琴風”(こと・かぜ)は爽やかな笑顔の力士でした。風は彼の弟子に受け継がれている漢字になっています。

“嵐” ~読み方  あらし

爽やかな“風”の漢字の上に“山”が乗っかると、荒々しい嵐になります。嵐は自然の現象を意味する漢字の中でも、最も自然の厳しさと恐さを感じさせるものでしょう。この漢字は、荒々しい性格で荒々しい技を使う力士の四股名に使われるのが似合っています。1970年前後に、暴れん坊のニックネームで活躍した陸奥嵐(む・つ・あらし)という力士がいました。いつも不機嫌そうな顔つきで、荒っぽい技を使いました。

In English

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砂かぶりの夜