把瑠都

Shikona for Non-Japanese Rikishi~外国人力士の四股名の傾向(和訳)





この章では力士の四股名の漢字ではなく、外国人力士の四股名について述べます。外国人力士の先駆者であったハワイ出身の“高見山”(たか・み・やま)が活躍を始めたのは1960年代の後半です。40年の歳月が流れました。この40年の間に外国人力士の四股名の特徴は変わりました。それは名付ける側の日本人の親方の意識の変化と言えるでしょう。第4章では、モンゴル出身力士の四股名の漢字には動物を意味している漢字が多く使われていると述べました。それがモンゴル出身力士の四股名の特徴になっています。ハワイ出身力士の四股名の特徴と、最近活躍しているヨーロッパ出身力士の四股名の特徴にも、はっきりとした違いがあります。これらを比べることで日本人の外国人力士に対する意識の変化を感じることが出来るかもしれません。

“ハワイ出身力士の四股名”

“高見山”(たか・み・やま)
外国人第1号の力士です。1960年代後半から1980年代前半まで、16年という長い期間に渡り活躍し、それは上位で活躍した最長記録として残っている偉大な力士です。彼の四股名は1910年前後に活躍した先代の“高見山”の四股名を受け継いだ二代目です。

“小錦”(こ・にしき)
1990年前後に活躍した大関で、横綱までもう少しのところまで迫った実力者でした。彼の四股名は1890年代に活躍した先々代の“小錦”の四股名を受け継いだ三代目です。

“曙”(あけぼの)
1993年、外国人力士として初めて横綱になりました。彼の四股名は受け継いだものではありませんが、日本の古典文学にも出てくる、極めて日本的で伝統的なイメージの漢字を使っています。

大相撲の外国人力士の先駆者的存在であるハワイ出身力士は、以上の例で分かるように、他の日本人力士よりも、もっと日本的な四股名を使っていました。普通の力士が二代目・三代目を名乗ることは極めて珍しいことで、それが揃って外国人力士だということは偶然ではなく、意図的だと考えられます。

“ヨーロッパ出身力士の四股名”

“琴欧洲”(こと・おう・しゅう)
ブルガリア出身の大関です。“欧洲”は日本語でヨーロッパを意味している漢字です。親方の四股名の漢字“琴”と合わせて、四股名にしました。

“露鵬”(ろ・ほう)
ロシア出身力士のです。“露”は日本語でロシアを意味している漢字です。親方の四股名の漢字“鵬”と合わせて、四股名にしました。

“黒海(こっ・かい)
グルジア出身の力士です。“黒海”はグルジアに面している内海の名前で、それをそのまま四股名に使いました。

“把瑠都”(ば・る・と)
エストニア出身の力士です。エストニアに面しているバルト海の日本での読み方を漢字に当てはめて、つけられた四股名です。

ハワイ出身力士が非常に日本的な四股名だったのとは対照的に、ヨーロッパ出身力士は彼らの出身地が分かるような四股名になっています。これは日本人の親方たちの意識の大きな変化と考えられます。

In English

Names of Sumo Wrestlers