正代

正代 の話でネガティブになりそうだったが土俵際で踏ん張ったのだ





正代も30歳になった。ポスト白鵬世代も、いよいよ30歳台に突入した。一般的には、全盛期と呼ばれるべき年齢になった。番付上も同い年の照ノ富士以外は年下、上の世代は誰もいない。だから勝ち越しがやっとというのは大関として情けないわけだが、ここ数場所、やっと勝ち越している。

正代の特徴と言えば、やはりあの立合い。あの立合いでの腰の強さと重さは、北の湖に匹敵する、と私は思っている。横綱級の立合いだ。ただ、アゴが締まってないところを押される。押し相撲全盛の今の土俵で、厳しいものがある。

しかし私は、アゴはこのままでも良いと思う。アゴを押されても一気に持って行かれることは少ないし、土俵際の粘りもある。立合いよりも、その後の展開での前捌きが巧い力士が多い。御嶽海とか。その展開の中で負けることが多い。

余談だけど、前捌きが巧いというと昔は差し身が巧いと同義語に近かったけれど、突き押し相撲全盛の昨今の土俵では、押しといなしや突き落としの巧さも前捌きの巧さと呼ぶべきだろうね。

正代は差して、捕まえて持って行く相撲。密着するけど、廻しを引くことは稀だ。だから捕まえ切れないと、前捌きの巧い力士に分が悪くなる。北の湖級の腰の強さと重さを持っていると思われる正代だけど、今さら上手廻しを引いて、どっしりと構える相撲は無理だろう。出来る素質は有ると見えるが。

そして熊本との県境に育った私だから感じるのは、熊本県の有明海沿岸部の人のイメージは、人が好いというものだ。突き押しの展開で前捌きが巧い力士は、お人好しじゃ難しい気がする。御嶽海なんかも、お人好しには見えない。正代は人が好さそうだし、人間性を変えるのは無理だろうな。

正代の可能性として、廻しを引いてどっしりも、突き押しの展開での巧さも、どちらも無理という極めてネガティブな結論を出してしまった。正代=ネガティブは、入幕時のイメージなだけだったのだが。完全に、正代はこのままだ、という内容になってしまった。

それでも、新しいことが出来なくても、悪い部分を治すことは出来るはずだ。正代は若手力士のころ、両差しで勝つと「正代は両差しじゃないと勝つ自信がないから、両差しになるんです」、と解説者に言われたことがある。まぁ、解説は琴錦だったけど。

今、言いたいことは私も同じ。少し違うか。「正代はもう両差しじゃなくても勝てるのだから、不充分でも勝負できる。攻めることが出来る」、ってことだ。スケールの大きさで照ノ富士に対抗できるのは、今のところ正代だけなのだから、自信を持って。

大相撲力士名鑑 : 正代




砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. 照ノ富士は左でも右でも抱えて相手の動きを止めてしまえば勝ってしまう。現在全盛期真っ最中だ。
    正代は右四つか左四つなのか。どっちでも取れるのだろうが、こうなれば絶対勝てるという体勢がないと見ていて落ち着かない。私の相撲の見方が古いのだろう。白鵬・照ノ富士以降、オールマイティな横綱が主流になりつつあるのか。
    そういえば全盛期の北の湖は右上手を取れば「勝負あり」だったが、格下の相手には右四つで勝っていた。正代も大横綱の素質はあるのだろうが、やはりあのパン食い競争立合いがなあ。相撲の見方が古いのだろうなあ。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    正代は右四つと紹介されていますが、実は左四つが良さそうにも見えます。だから豊昇龍や北の若と同じパターンに見えそうですが、右上手廻しを引くでもないので、やはり少し違うパターンでしょうね。いわゆる、ナマクラ四つという。照ノ富士は右四つだけど左でも取れるという感じですが、正代がやるとナマクラと感じるのは、かわいそうですが、本当です。右で上手廻しを引くようになれば、何か変わるかもしれませんけど。

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