照ノ富士に土がついた。取組が始まる直前に玉鷲の張っている体を見て、「照ノ富士もこの当たりを受けるんだから、凄いなぁ」などと思っていたら、一気にやられてしまった。玉鷲は当たりも凄いが、手も伸びる。突き手は、的確に照ノ富士を捉えていた。体の張りだけではなく、技術的にもまだまだ進化している。
照ノ富士については、15日間のうちにはこういうこともあるという感じなのだが、正代は危ない。負け方がひどい。逸ノ城に対して左上手を与えないように工夫したようだけど、そのことばかりを考えているのか、まったく当たれていない。
もともと正代は、立合いの当たりで大関に上がった。立合いで相手をひるませ、そこから有利に相撲を展開して白星を重ねた。若手力士のころ、「正代は両差しじゃないと勝てないから、両差しを狙うんです」と解説者に言われたほど、四つ相撲ではまったく評価されていなかった正代。
すくったりとか振ったりとか、土俵際で逆転したりとか、それも立合いで有利な展開に持って行っての相撲の流れがあったからこそ勝っていた。優勝した場所の、本当に何を考えているのか分からないような、無邪気で不気味なフォームから、しかし爆発的な威力を持った立合いの当たり。なぜに出さない?
私も以前にブログで、「もう白鵬は正代には勝てない」と断言したほどの立合いなのだ、本当に凄かったのに。正直に言って今の番付ならば、今の相撲で8勝か9勝は出来るかもしれない。出来るかもしれないが、出来るのは今年一杯ぐらいだろう。
熊本出身の正代の勝敗は、福岡では夕方六時過ぎのニュースで流されて、一言二言はアナウンサーにコメントされるから辛い。それに今の福岡局は、スポーツでお馴染みの一橋アナウンサーだ。大相撲も詳しい。それに、なかやまきんに君で全国的にも有名になったし。まぁ、この話は関係無いか。パワ~~~。
照ノ富士の連勝を止めたのが幕内最年長37歳の玉鷲というのが、現在の大相撲の停滞状態を証明している。とはいえ、21歳の王鵬はまだ照ノ富士に手も足も出ないだろう。
今日六日目、ラジオは押尾川親方(豪風)と太田アナだったか、正代の休場まで言及していた。二日目の宇良戦以外、前に出る相撲を取っていない。それでもヨタヨタしながら、十四日目あたりで勝ち越すのがこの数場所の正代だが、さて今場所はどうなるか。
照ノ富士と西前頭6枚目阿炎の対戦が組まれるか、現時点ではわからない。横綱の対戦相手は大関以下番附順に15人、西5枚目の千代翔馬までだ。審判部は頑なにこのルールに拘る。それで最終盤になって割崩し、というのがパターン化しているが、審判部も進化しない。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
正代は精神的な部分もあると思いますので、私は休場には反対です。照ノ富士VS阿炎ですが、私は中日に組むべきだと思います。そんなことを北の富士も言っていたみたいですね。かつて昭和の日曜日、中日では北の富士VS貴ノ花、北の富士VS高見山、北の富士VS輪島といった黄金カードがありました。懐かしいですね。令和の中日の日曜日は、照ノ富士VS阿炎や照ノ富士VS宇良がピッタリでしょう。もう一人、花形力士が欲しいですねぇ。