阿炎

阿炎 は角界のダルビッシュだ、 御嶽海 の巧さは琴錦や三代目若乃花に並んだ





1月場所も千秋楽だけど、14日目の照ノ富士VS阿炎と御嶽海VS宝富士について。まず阿炎、強かった。これで、照ノ富士に苦手意識を植え付けさせたようだ。正代に対して張り差しを失敗した白鵬のように。

照ノ富士が嫌なのは距離だろう。阿炎の大きなセールスポイント、腕の長さ。捕まえれば何とかなる照ノ富士が、捕まえ切れない。一番困るパターン。この長い腕がよく伸びる。リーチの長さに加え、錣山親方の回転の速さ、ほどは速くはないが、指導はしてくれる。

もう一つ考えているのは、突き押し相撲の力士が増えた中で、阿炎の突き押しは進化を続けていると思われること。野球に例えるとすれば、カーブやシュートが多い時代から、落ちる球がブームになる時代に移るとする。

そうするとピッチャー同士の競い合いと、バッターとの切磋琢磨もある。落ちる球の時代が続けば、そのボールは進化を続ける。今の突き押し相撲の状況は、野茂が登場してから現在までの落ちる球の状況に似ている。

突き押し相撲の力士が増える中で、その技術を研ぎ澄ました阿炎は、プロ野球に例えればダルビッシュだ。落ちる球全盛期の中で、その切れ味を増し続け、球種を増やし続け、落ちる球時代の代表的投手となったダルビッシュ。手足が長いところも阿炎に似ている、似ているかもしれない。

だから、突き押し相撲の横綱が現れても不思議ではない時代となったのだ。技術は上がっている。リーチの長さを考えても、太刀山、千代の山、曙といるけれど、阿炎の体型と腕の伸びを考えれば、決して負けてはいないかもしれない、勝てはしないだろうけど、今のところは。

そして御嶽海も14日目は目を見張った。左を差せば間違いなく強い宝富士の左を封じるのに、右を固めるか右からおっつけるか、御嶽海は選ばなかった、どっちも選んだ。御嶽海は最初、ガキッと右を固め、宝富士の左が苦しくなると一気におっつけた。そのタイミングが絶妙。巧い。

運動神経が抜群で筋肉質で、何でも出来る力士がいる。栃ノ海、鷲羽山、朝青龍がこれに当たる。微妙に違って、純粋に相撲が巧い、というイメージの力士がいる。代表は琴錦と三代目若乃花、ここに追い付くかもしれないと、御嶽海ならと、本気で思う。

三つ巴の可能性もある興味津々の千秋楽だが、14日目の相撲で阿炎と御嶽海が強く、巧くなったのは明らかだった。千秋楽、いよいよだ、熱戦を、期待する。照ノ富士を相手に、御嶽海、、大丈夫ですかぁ~~。

大相撲力士名鑑 : 阿炎 御嶽海




砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. >>阿炎の突き押しは進化を続けていると思われること。
    再入幕後、連続で12勝だ。出場停止前より確実に強くなった。優勝も大関も十分狙える。
    阿炎がダルビッシュなら大谷翔平は熱海富士か。十四日目、琴裕将に勝ったあと土俵上で号泣した。物言いが付いて軍配通りだったが、取り直しや差し違いならどうしたんだろう。やっぱり泣くのか。
    照ノ富士が足首を痛めて(地面に足が付けない状態だとラジオ解説の安治川親方=安美錦が仰っていた)千秋楽精彩を欠いたのが残念だった。終盤5連敗で負け越し、十両陥落濃厚の王鵬も残念だった。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    熱海富士の勇み足を我慢しての白星は感動しました。もらい泣きでしたね。表情や取り口が、応援したくなる力士ですね。照ノ富士のケガが心配です。長引かないように。王鵬は真面目ですけど、体がまだ出来ていないと感じました。

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