琴櫻 復活が植物由来の四股名激減の状況を変えるのだ





いきなりだけど、四股名の話をしよう。四股名については琴ノ若の琴櫻襲名について時々書いているので、今回は「櫻」、というわけで植物に由来した四股名について書く。

しかし何ということか、いざ番付表を見てみると、幕内力士では錦木の「木」だけだった。少ないとは思っていたけど。阿武咲の「咲」は植物そのものではないから、やっぱり違うだろう。

比較する場所は分かりやすい場所が良いと思って、昭和45年の初場所を選んだ。なぜ分かりやすいかと言えば、北の富士が横綱に昇進する場所だからだ。北の富士と玉乃島(後の玉の海)が優勝決定戦を行った場所と言えば、これはイメージしやすいのではないか。私だけか?

この場所で植物の名前が四股名に入っている力士は、今回のテーマのきっかけとなった大関琴櫻の「櫻」、前頭に福の花の「花」、藤ノ川の「藤」、花光の「花」、貴ノ花の「花」、時葉山の「葉」の6人がいる。

小結の栃東、前頭の栃王山の「栃」は植物だけど、同時に複数に与えられている字なのでカウントしないことにする。今の力士でも、栃ノ心の「栃」が同様である。

ちなみに錦木も藤ノ川も代々受け継がれた四股名ではあるけど、同時期に複数で使用は当然なされていないので、カウント出来るものとする。一人と6人、それも現在は前頭は17枚目まであるが、昭和45年当時は前頭は12枚目までと少ない。かなり差がある。幕内全部で42人と34人、今の方が8人も多いのに。

さらに昭和45年初場所の十両では、照櫻の「櫻」、義ノ花の「花」、柏梁の「柏」、花錦の「花」、富士櫻の「櫻」の5人。対して現在の十両だけど、松鳳山だけだ。しかし松鳳山の「松」は本名の松谷の「松」だから、これは微妙だなぁ。カウントすべきかどうか。

ちなみに今の十両は14枚目で昭和45年は13枚目だから、今の方が2人多い。合計で昭和45年当時よりも今の方が、関取で10人も多いのだ。そして植物由来の四股名の力士は、令和が2人で昭和が11人という結果となった。

植物が四股名に入ると、強そうではないかもしれない。字が美しくて絵画的な四股名と言うべきか。その方が人気も出そうだし、何か男前にも見えそうだ。華やかだしね。

平成になってからも、貴乃花や若乃花や小城ノ花といった昭和の四股名は受け継がれた。朝青龍あたりからかなぁ、強そうな四股名が増えていくのは。強そうで結構、本当に何の問題もないのだけどね。

ただね、やはり大相撲は五穀豊穣を祈るものだから、植物を四股名に入れると、自然への畏敬の念がこもるのではないかな。そういう意識よりも、近年は格闘家としての強さを前面に出している四股名が増えたようだ。朝青龍の時代あたりから、そうじゃないかな。

ということで琴ノ若と琴櫻に絡んで、植物の名前を入れ込んだ四股名について書いたけれど、実際のところ植物由来の四股名が(シャンプーみたいな言い方だな)本当に少なくなったのに驚いた。それでは四股名シリーズ第一回は以上。

大相撲力士名鑑




砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. 佐渡ヶ嶽部屋は琴奨菊とか琴ヶ梅とか琴椿(「椿」の付く四股名の力士は他にいるかな)とか、植物由来の四股名が多かった。
    現役の幕下以下だと、北桜の式秀部屋が「桜」の付く四股名の力士を多数輩出しているが、いちばん有名なのが服部桜改め勝南桜だ。関取にはほど遠い。
    阿武松部屋は横綱阿武松緑之助をルーツに持つ部屋で、小緑(古市)とか松緑とか梓弓とか、きれいな四股名の力士が多かったが、全員野球賭博で逮捕された。あまりゲンが良くないのかもしれないが、現役では土佐緑が幕下上位で奮闘中だ。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    琴奨菊も好きな四股名でした。梅や椿、緑に梓と、きれいな字が並びますね。やはり、双葉山の「葉」は植物由来の大御所でしょうか。私が大相撲を見始めたころの大関は北葉山、さらに復活して欲しい四股名の筆頭格が柏戸ですね。四股名シリーズは、また近いうちに。

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