大相撲9月場所も終盤戦、今場所当たりは節目となりそうな世代交代場所かな、などと思っていたが、玉鷲・高安といったベテランが活躍、北勝富士も30歳だ。
世代交代も本当に少しずつ、という感じになるのかな。今まで60年ぐらいの長い期間、大相撲の土俵には時代を創り上げるスター横綱が、ほぼ絶え間なく現れてきたけれど、それは奇跡的なことだった、と思う。
スーパースターが現れない代わりに、多くのアマチュア相撲出身力士が就職するようになり、層の厚さは過去に例を見ないほどになっている。御嶽海が大関を陥落し、正代が大負けするのも、これが原因だろう。
14日目は高安VS豊昇龍、北勝富士VS若隆景。世代交代を象徴する取組だ。玉鷲の相手の翔猿は御嶽海や北勝富士と同学年だけど、遅咲きだし体は若々しい。優勝はまったく予想ができない。何度も優勝争いに絡んできた高安に一度は優勝してほしいところだけれど、私が推すとだいたい外れるから止めておこう。
十両では、新十両の栃武蔵が優勝争いのトップを走る。徹底した左上手投げの、なかなかに個性的な力士だ。個性のある力士は好きだ。廻しを引かれるのが嫌な力士に対しては圧力を掛け、そのまま持って行く力もある。
優勝候補の筆頭に私が推していた北青鵬に、二つの差を付けた。やっぱり私が推すと、ほぼ予想は外れる。そして今場所は触れなかった北の若が、熱海富士に勝って勝ち越しを決めた。派手さはないけれど、BMI40前後で体重を保っているのは良いことだ。
幕下では朝乃山が11日目、勇磨に敗れて来場所の関取復帰は見送られた。徹底的に攻め込んでいたけれど、やはり悪い癖の、ドタドタした足の運びが災いした。私は朝乃山を推してなかったが、これだけは外れなかったのだ。
優勝は13日目、大成龍が決めた。奇しくも同部屋で同期の、常幸龍の引退発表の日。柔らかい体で小結にまで昇進した常幸龍、ケガと戦った土俵人生だった。お疲れさまでした。
とにかく優勝予想どころか、取組の予想するできない。十三日目、負け越しが決まった大関同士の正代vs御嶽海が組まれた。
他所のブログで「史上最も無駄な大関対決」と書いたら「そんなことはない。熱戦になるかもしれない」という反論を受けたが、熱戦になるわけないよなあ。
変化したりされたりの大関貴景勝の十四日目の相手は錦富士、たぶん千秋楽は大栄翔だろう。大関3人いて大関対決が正代vs御嶽海だけだ。大関対決を消滅させないための取組だったようだ。
十両の栃武蔵は左でまわしを取ったら自信過剰なぐらい強い。熱海富士や北青鵬を抜いて一気に幕内上位までいきそうだ。思わぬところから逸材が出てきた。
照ノ富士は若隆景・豊昇龍・霧馬山・琴ノ若らに白星を許していない。「若手の壁」の役目を果たしているが、朝乃山は壁になれるか。栃武蔵に左上手でブン投げられそうだ。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
いろいろありましたが、玉鷲VS高安の直接対決で決着の千秋楽になりましたね。優勝経験のある玉鷲よりも高安に応援したいところですが、実力が拮抗している両力士、高安の連勝は相当に厳しいでしょうね。しかし今場所は、照ノ富士のケガと大関陣の低迷と若手の壁であり続けるベテラン力士という、現在の土俵を象徴する場所となりましたね。