熱海富士

大の里よりも、大の里の同世代の力士の活躍に期待したい7月場所なのだ

大相撲7月場所は、大関全敗で始まった。3大関ともに、厳しい内容の負け方だった。

豊昇龍は右四つ、両まわしを充分に引いた自分の型になったのに、熱海富士に負けた。勢いで負けたのではなく、右四つで相撲を取り切っての負け。言わば、力負けに等しい、言い訳の出来ない負けだった。

がっぷり四つになってからは、組み方でも熱海富士が上位力士のような組み方だった。下手投げと内掛けしかない豊昇龍だったけど、そういう流れにしか出来ない組み方だった。言い方は悪いが、右四つの組み方がきたない。

貴景勝は、いつものヤンチャな感じも、劣勢のときの強引な取口も、何も貴景勝らしいものは出なかった。琴櫻もヌルッとした立合いから、覇気なく負けたという相撲だった。

もう一人負けたと言えば大の里なのだが、これはあまり心配な感じの負け方ではなかった。今日は負けても仕方がない。相手が御嶽海だから。こんなものだ。

大の里が右を差せるか、今日はこの一点勝負だった。そしてこういうピンポイントでの勝負の展開に、御嶽海は圧倒的な強さと巧さを発揮する。御嶽海が大の里の右を封じる可能性は、かなり高いと思われた。少しでも相撲が長くなればダメだけど、一発勝負なら御嶽海はまだまだ一流だ。

照ノ富士は我慢強く勝って、何とか上位陣全敗は免れた。照ノ富士は根気強い相撲で平戸海を破ったが、今日のような精神的に粘り強い相撲を続けられるかが、優勝争いのカギになってくるだろう。大の里の大関が掛かる優勝争いだ。

とは言え、今場所は優勝争いよりも、熱海富士・阿武剋・伯桜鵬といった、これから大の里のライバルとなるべき力士たちの活躍が気になる。やはり追い付いてくれないと。同世代の出世レースというのが、一番盛り上がるものだからね。

 

大相撲力士名鑑

砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. 横綱の3日間は、優勝した初場所のそれよりはるかに内容が良いですね。アクシデントなく皆勤できれば優勝争いを引っ張って締まった場所にしてくれるでしょう。
    大の里のライバル候補にあがっていた3人の中では伯桜鵬が心配です。組んだら勝てないと言ってるようですが、あの綺麗な左四つは捨てないでほしいし、基本に立ち返る・磨く意味での押し相撲と考えたい。
    3人以外では、大青山なんかどうでしょう。脂の乗ってきた大波兄弟と、追いかけてくる丹治兄弟に挟まれて稽古環境も良さそうです。

  2. としさんへ
    コメント、ありがとうございます。
    照ノ富士は近年で一番と言えるような相撲内容ですね。円熟の境地という感じです。
    伯桜鵬、組んだら勝てないとは、入門当時のイメージからは掛け離れた言葉ですね。以前の、「壁はいつ見えてくるの?」と思わせるぐらいの雰囲気に戻れないのでしょうか。
    大青山、これから注目して見てみます。

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