照ノ富士

照ノ富士の相撲は最高だった、そして大の里に横綱の予感、そして何なんだ安青錦

大相撲7月場所、照ノ富士が目標としていた二桁、10回目の優勝を果たした。優勝10回の横綱は多くはない。時代は違えど、栃錦や初代若乃花や北の富士と並んだわけだ。お見事です。

内容も良かった。今場所の照ノ富士の相撲は、実に根気強かった。強引に振り回す場面は、ほとんど無かった。後半戦、一番の懸念材料がスタミナ面で、だから強引になっても不思議ではない場面で、そこでも強引さを抑えていた。

特に優勝決定戦、隆の勝の両かいなを極めた時点で、強引に振るという選択肢もあったかもしれない。たぶん振っていたら、つけ込まれて負けていたと思う。隆の勝が好調だっただけに。

あそこで踏ん張って、右を巻き替えたところで勝機を手繰り寄せた。本来の照ノ富士の、師匠譲りの根気強い相撲が実を結んだ優勝であった。スタミナ的には苦しかっただろうが、綱のプライドを感じた相撲だった。

さて、その照ノ富士から白星を上げた大の里、相撲内容は大の里らしさを充分に見せてくれた。攻めの速さ、引き技の巧さ、土俵際でのたいを入れ替える巧さ、これらは学生相撲の横綱をイメージさせる。

ある意味、大の里は学生相撲の完成形と言えるのか。ならば輪島以来、50年以上も誕生していない学生相撲出身の横綱が、ついに誕生するかもしれない。

そして大の里は誰にも似ていない相撲、みたいなことを以前に書いて、だから新しい時代の相撲かというと、十両では白熊や伯桜鵬のようなトラディショナルな相撲が見られて見応えがあった。

白熊は相撲もそうだが、見た目も雰囲気もトラディショナルで、早く幕内で見たい力士だ。そして千秋楽での伯桜鵬の打っちゃり。最高だった。決められた獅司も良かった。

さらに幕下には大青山と安青錦、特に安青錦の相撲は千秋楽で初めて見たに等しいけど、何なのだ、あの相撲は。大の里同様、安青錦の相撲も、今のところ誰にも似ていない。

大相撲力士名鑑 : 照ノ富士 大の里

砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. 終盤はかなり体がきつそうでしたが、決定戦含め見事な横綱相撲でしたね。酷暑での巡業もあり、回復出来るのか心配です。
    強い横綱に勝った3人はそれぞれ素晴らしかったですが、特に初白星の琴櫻には一皮むけて欲しいかな。
    安青錦は個性爆発です。関取に体を起こされたらどうするのかなと想像してます。先場所、付出デビューの草野に起こされて負けてましたが、彼も幕下レベルではないですから多少参考になりました。大青山ともども来場所も楽しみです。

  2. としさんへ
    コメント、ありがとうございます。
    照ノ富士は何かのコメントで、「今の力士は強い」と語っていたようですね。舞の海が今場所、解説の若の里に「親方が今いたら、大関になってますね」と、デリケートなことを平気で話していましたけど、世間的にも同様な認識で、それに反発してのコメントだったのでしょうね。私が「大の里は学生相撲の完成形」と言うのも、相撲の型の話であって、強い弱いの話ではありません。そして大青山と安青錦、熱海富士・阿武剋・伯桜鵬に続く次世代の力士、照ノ富士との対戦に間に合って欲しいものですね。

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