鶴竜

鶴竜 は九州場所で充分、進退うんぬんなど早過ぎる





4横綱が揃った最初の場所の初日にアナウンサーが、「今までの4横綱時代は、短い期間で終わりましたが」といった内容のコメントをして、「縁起でもないことを、言うもんじゃありません」と、北の富士が本気で怒った場面がありました。

確かに過去の4横綱時代は短かったかもしれないし、4横綱全員が元気というのも難しいのかもしれません。しかし時代は変わり、体のメンテナンスも過去とは違うものがあると思います。従来の4横綱時代とは違うものを見てみたいものです。

それにしても横綱の進退とは、北の富士が生放送で本気で叱責するほどに重たいものなのに、「鶴竜は秋場所に進退を掛ける」などという記事を目にすると、違和感があります。出場は、九州場所で充分です。

「鶴竜は安易な引き技が目立つようになった」とも書かれますが、まだ若手力士に完全な力負けの場面は無い、ということです。無理をして出場し、「実はまだ強いのに、強いまま引退する」というのが最も避けてほしいことですね。

鶴竜は、白鵬・日馬富士・稀勢の里、さらには琴欧洲・把瑠都・豪栄道とも違い、入幕時は横綱・大関を期待される存在ではありませんでした。本当に一歩一歩、地道に力をつけていって最高位をつかんだ力士です。

白鵬と並ぶと分かりますが、鶴竜は足も長く、力士の体型としては恵まれていません。いまだに苦手力士がいるということも言われますが、それは鶴竜が少しずつ強くなったことを、むしろリアルに感じさせてくれます。

同じ叩き上げながら、幕下あたりから期待されていた他の3横綱に比べ、鶴竜には独特の凄みを感じます。顔は優しいけど。取口も辛辣です。白鵬や日馬富士よりも辛辣な部分は地味ですけど、地味な怖さがあります。学生相撲出身が多い今の若手力士、最も学んでいただきたい力士は鶴竜と言っていいかもしれません。

さて横綱の進退に話を戻すと、ここまで書いていて先ほどの「違和感」に気づきました。従来のスポーツ新聞などは横綱の権威について「分かっていて」、「あえて」記事にしていたのに対して、誰の目にも触れるネットのニュースで横綱の進退が語られることに対する違和感だと思います。

それによって最近ファンになった方たちが、横綱の進退への重さを誤解することへの危惧があります。NHKのアナウンサーでさえ、北の富士に怒られるようなことなのですから。「鶴竜の昇進基準は甘かったよね」、などと語る大相撲ファンも含めての危惧です。

大相撲力士名鑑 : 鶴竜

 

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2件のコメント

  1. 「次の出場場所に進退を懸ける」と宣言したのは鶴竜の師匠の井筒親方だ。ワタシ「いくらなんでも拙速に過ぎる」と怒ったのだが、驚いたのは夏巡業のお台場場所に鶴竜が出場したことだ。
    要するに入院でもしていない限り、横綱はムリヤリ巡業に引っ張り出される、ということらしい。
    お台場場所の勧進元がフジテレビで、真夏の野外巡業ということでチケットの売れ行きが芳しくないという噂も目にした。だからといって夏巡業全休を表明していたはずの鶴竜を引っ張り出すかねえ(同じく夏巡業全休を表明していた大関照ノ富士はリハビリ十分で好調らしい)。

    上記の井筒親方の発言は、こうでも言わない限り鶴竜は安心して休場できないということだろう。2017年の横綱は休場するのも大変だ。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    大相撲ファンの多くは、鶴竜の復活のために一番良い行程を望んでいるのでしょうが、安易な記事を目にすると心配になります。昔、鏡里が執拗な記者の問いに「二桁勝てなかったら引退する」と見栄を切って、9勝6敗で引退したという話があったようですが、そういうことは避けたいですね。

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