大相撲は神事だという説明を明確に出来なければ、救命女性を土俵から下ろした問題は変な風になる

大相撲のSNSで面白い動画を見ました。巡業先での一コマ、ファンにサインをする輝の後ろで「わぁ、輝がサインしてくれる。ヤッタァ、ヤッタァ、輝がサインしてくれる」と茶化す阿炎。

力士の喋り方って感じじゃない、軽い口調での見事な茶化しっぷり。そして振り向きざま、阿炎の口を大きな手でふさぐ輝。恐いほどの無表情で無言の輝。口をふさがれながら、なぜか笑顔でカメラに向かってVサインの阿炎。

巡業で見せる素顔が、輝も阿炎もイメージ通り。良いんじゃないですか。しかしその巡業で、救命行為を行っていた女性を、若手行司が土俵から下りるように指示したとのニュース。これは相撲協会がきちんとした対応、記者会見でもして説明する必要があるだろう。

なぜ大相撲の土俵に女性が上がれないのか、そのあたりをハッキリさせないと、というか今が良い機会かもしれない。時期的に見ても。

五穀豊穣を祈る神事、大相撲はつまり山の神・海の神に対する神事行為である。今さらだが。そしてその神は人格としては、女性である。

昔はドラマのセリフなどで、「うちの山の神が・・・」なんてのをよく聞いた。日常生活では、さすがに昔でも使う人はいなかったが。

神が女性だから、女性は土俵に上がれない・・・だけでは足りない。「神が嫉妬するから、女性は土俵に上がれない」で正解・・・と思う。

大事なところを「思う」では本当はいけないわけだが、これは私が考えているだけで、誰から聞いたとかいう話ではないから、しょうがない。

そしてここが一番大切なところだが、倒れた人に救命行為をする女性に、神が嫉妬するか？ということだ。するわけないから、今回は土俵から下ろすべきではなかった。

優勝力士に女性が表彰状を送れば、神は嫉妬するに決まっている。だから、上がってはダメなのだ。「神事なのだから、そんな曖昧なことで良いのか？きっちり決めなくても良いのか？」なんて人もいるだろうか。

曖昧で良いのだ、というか・・・それだけ神は身近なものなのだ。時と場合によって、神は人間に対応してくれる。神の考え方は柔軟だ、人間がちゃんとしていれば。そして神を身近に感じていないならば、それは大相撲を神事と心の底では思っていない人だ。

大相撲ファンでも、「アマ相撲で女性が土俵に上がる時代だ」なんて言う人もいる。これは単に「大相撲」と「相撲」の違いなわけだが、そんなことを言う人も少数ながらいるわけで、大相撲ファンじゃなかったら、もっといるわけだ。

共通の認識が必要だろう。救命行為の女性を土俵から下ろした若手行司だけではない、若手力士もあやしい。最近の若手力士が使う、「プロ入り」という言葉が気になる。

22歳ぐらいの青年が将来を考えての発言だから致し方ないが、「アマ」から「プロ」になるのと、「相撲選手」から「大相撲の力士」になるのは意味が違う。

心の奥では「プロ」と思っていても、ちゃんと教育を受けて、表向きには「大相撲」と答えてほしい。しかし今回のような件をうやむやにすると、本当に「プロ相撲」になるよ。

大相撲力士名鑑　：　阿炎　輝