ケガが多かった初場所で、連続出場を継続している玉鷲が優勝したのは、ある意味で象徴的な出来事だった、と言えるだろう。何を象徴しているのかは微妙だけど。
連続出場の記録は、もちろん青葉城だ。34年間も破られていない。凄い記録だが、同じ年、昭和60年に作られた大潮の通算出場記録も破られていない。
凄いことは凄いのだが、連続出場ということでは高見山の印象が強い。青葉城には及ばないが、高見山は19歳での入門だ。序ノ口についた場所後には20歳になっている。それを考慮すると、青葉城に匹敵すると言って良い、と思う。
さらに言えば、青葉城は安定した四つ相撲で、体も頑丈そうだった。高見山は巨体の上、ヒザは柔軟性を欠き、いつも豪快な負け方をしていた。いつケガをしてもおかしくない、そんな体型で、そんな相撲振りだった。
土俵際での粘りが身上の貴ノ花とは、人気ナンバーワンとナンバーツーの取組。しばしば土俵下に派手に落ちていた。もんどり打って、という落ち方だった。
しかし当時はいくら派手に落ちても、例えば寄り倒しVS打っちゃり、上手投げVS下手投げ、相手と密着して落ちる場合が多かった。言わば、重心を相手力士と分散しながら受け身を取っていた、と思われる。
昨今は、土俵際でも体が離れていることが多いから、落ちるときは一人で落ちることが多いからなぁ・・・一人さびしく。だから、重心を一身に体に受けてしまう。
土俵が高いという意見は、いざ受け身が必要な場面での危険が多過ぎるので、まったく論外。土俵の下にマットを敷けという意見は、これも捻挫の危険が極めて高まるので、まったく論外。打開策は見つかっていない。
トップの画像は、軽量の「牛若丸」藤ノ川に豪快に投げられる高見山。確か、ここから裏返るぐらいに投げられた、こんな相撲で入門以来最初の休場が、37歳のときだからね。
連続出場記録の第3位は貴闘力だ。初土俵から引退まで、星取表に「や」はない。
ギャンブル依存症を告白した(ネタにしている?)貴闘力だが、相撲に関しては優等生だった。
現役で連続出場1位の玉鷲は1151で、青葉城の1630に追いつくまで5年以上かかる。年齢は40歳近くになるが、更新するんじゃないかと本気で思う。
通算出場1位の大潮は1891、4位で現役の安美錦が1773、あと1年ちょっと頑張れば追い抜けるが、初場所の相撲を見るとちょっと厳しいか。「傷だらけの鉄人」1日でも長く相撲を取る姿を見たい。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
大潮・青葉城の記録保持者、貴闘力もいましたね。皆、強そうな体をしていました。玉鷲も頑丈そうな体です。安美錦はケガと付き合いながらの土俵、入幕時は当時の軽量力士の代表でした。そこから少しずつ体を大きくして、今があります。休場者の多い昨今、力士の手本として頑張ってほしいものですね。