貴景勝

貴景勝 の相撲が変わった、更なる進化か?





栃ノ心と貴景勝、そして逸ノ城と阿武咲と貴源治も注目すると場所前に書いたわけで、栃ノ心も貴源治も良い相撲をとっているが、場所が始まっての一発目のコラムは貴景勝にしよう。

初日の中継でアナウンサーが、「琴錦のような両差しの相撲も考えている」と貴景勝が言っていた、と話していたのが引っ掛かったからだ。先々の話だろうが。

先日のコラムで、貴景勝は突き押し相撲に徹した方が良いと書いたが、2年前の秋場所のときに私は「貴景勝のすくい投げは斉藤雅樹のような横回転」といった内容のコラムを書いている。

斉藤雅樹の例えは少し古いかもしれないが、つまりは中に入っての下手からの投げ、すくい投げは威力があるということだ。両差しからの投げ技は、北勝海が小錦を投げた場面を思い出す。貴景勝には両差しの相撲の型の、そのポテンシャルは充分にある、と思う。

それで北勝海との比較を再度してみようと思ったが、もう一つ気になることが見つかった。貴景勝の立合いのときの、右手の使い方だ。少し手首を下げて、少し内側に入って、そのために右ヒジが張っている。3日目からは、どうなるだろうか。

手首とヒジのバネを使って突き放す、独特の立合いというか、技術というか。相手力士にとっては、差しにくい、あてがいにくい、やっかいな突き押しだ。突き手の引きの速さも相まって、防ぎにくい。そして下半身は安定している。

前場所までは、そのリズムと間合い、いつでも引ける体勢などに目が行っていた貴景勝の突き押しで、それだけでも「突き押し相撲の進化型」と形容してきたわけだが、さらに進化しているのか?

何か、新しいものを見ている感覚だから、「強くなった」とか「成長している」ではなくて「進化している」と言う方が相応しい。実は似たような技術を持った大関がいたのだけど、昔過ぎて動画などでは確認できないので・・・新しいということで。

大相撲力士名鑑 : 貴景勝




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