貴景勝 は歴史の節目となる横綱に、 照ノ富士 の相撲が旭富士的なのは偶然か?





大相撲11月場所は、貴景勝が見事に締めた。初日のコラムで「貴景勝が一番良かった。初優勝の時に近い相撲、これが15日間出せれば優勝」と書いたが、15日間出し切った。見事な優勝だった。

貴景勝の突き押しについては、いつもその間合いとリズムが唯一無二と書くけれど、これは足腰が強靭で安定していないと出来ない取口だ。それプラスの運動神経、というか卓越した身体調整能力が必要だ。

翔猿戦や照ノ富士との本割は、その独特の間合いが空く展開になったが、13勝2敗は素晴らしい。混戦になったら、優勝のラインが下がるというのが心配だったが、一年の納めに相応しい13勝2敗。

初場所は綱取り場所となるが、100%突き押し相撲では初の横綱誕生というのは夢がある。突き押し相撲全盛の今を象徴する横綱、時代のシンボル・・・表現が古いっちゃー古いな。

栃錦と若乃花は近代相撲の横綱と呼ばれていた、と思う。あれから60年、暦も一巡して、貴景勝も従来とはまったく違う形容をされる横綱になるのかもしれない。ポスト近代、歴史の節目となる横綱・・・大袈裟か?

そして照ノ富士も凄かった。今場所は言われている通り、理詰めの相撲が秀逸なものだった。特に土俵の広い方を背にする相撲の、その巧さが光った。狭い方に展開が変わったときの、対応も巧かった。

土俵における自分の位置を把握して、理詰めの相撲を取る達人は横綱旭富士だった。タイプこそ違えど、やはり師匠と弟子、これは偶然ではないのでは。私が勝手に書いてるだけだから、たぶん偶然だろう。

その安定した取口は、これから大関だけでなく、横綱も狙える可能性を持っている。遅咲きの横綱というのも師匠譲り、そして不知火型の土俵入りも・・・これは来年以降の夢だ。不知火型は、旭富士より日馬富士より、絶対に照ノ富士が似合うはず。

大相撲力士名鑑 : 貴景勝 照ノ富士




2件のコメント

  1. 貴景勝は突き押し相撲だ。横綱に昇進したとしても、朝乃山のケガが治ったら、あるいは琴勝峰・豊昇龍・納谷ら、平成2桁生まれの新鋭が上がってきたら役目は終わると思っていたが「新・突き押し横綱」が誕生するか。
    191センチ173キロの照ノ富士が前ミツを取って相撲を取る。大相撲史上最大の技巧派力士か。それでいて北勝富士を左上手投げで宙に浮かせ、翔猿をカンヌキで抜き上げる。緻密と豪快が同居する。ヒザのケガの十五日間ペース配分ができれば手が付けられなくなるか。朝乃山は照ノ富士戦3連敗だが、大きな壁ができてしまった。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    11月場所の貴景勝と照ノ富士は、自分の相撲を取り切って、星も上げることが出来ました。それも、今までに無いような相撲の型を作った、という感じです。だからこそ、綱を締める期待を抱かせるに充分だと思います。しかし・・・正代の一人パン食い競争も、今までに無いような相撲の型ですが・・・微妙ですね。

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