翠富士

翠富士 は 海乃山 や 鷲羽山 のような格好良い存在になる第一候補なのだ





貴景勝の突き押しの間合いとリズム、正代のアゴを上げても威力ある立合い、その力士しか出来ないオリジナルは魅力的だ。それが取口だけではなく、決まり手ならば尚魅力的。そういう決まり手がいっぱい有った。

海乃山のけたぐり、若浪の打っちゃり、明武谷の吊り出し、初代栃東の上手出し投げ、二子岳の内無双、陸奥嵐の吊り落とし、福の花の張り手、増位山の上手投げ(引きずり式)、栃赤城の逆とったり・・・。そして久々、翠富士の肩透かしも、決まり手の代表的な使い手の中に仲間入りできそうだ。

翠富士を最初に見たとき、確かまだ幕下の下位だったと思うけど、下手投げで勝った相撲だったと思う。舞の海や、今なら石浦とかね、似ている相撲の型。体も今よりも、もっと細かった記憶がある。

それが、いつの間にか大きくなった。下手投げも少ない。得意手が肩透かしだから、左を差したら、当然おっつける。上手の方から攻めないと、出来ない技だ。正攻法じゃないと。肩透かしは、引き技ではなく投げ技だ。

けたぐりの海乃山も飛び道具だけじゃない、左を差してからおっつけるという、実は思いっきり正攻法だった。当時の身長制限ギリギリの、172㎝で関脇を張った。面構えも職人ぽくって、渋かった。

小兵でも上手からの攻めがある、もう一人は鷲羽山だ。やはり、何でも出来た。175㎝で110㎏ほど、それで関脇を張った。土俵際ではアクロバチックだったけど、基本は正攻法だった。海乃山も鷲羽山も、私の中では名関脇だ。よくよく見れば、両力士ともに取口は朝青龍に酷似していた。体が小さいだけ。

小兵力士が関脇を張る、これは本当に格好が良い。海乃山と鷲羽山、体の大きさや取口もだが、共通していたのはふてぶてしい表情、土俵態度もだ。翠富士も、小兵の名関脇の候補になった。

大相撲力士名鑑 大相撲決まり手一覧 : 翠富士 海乃山 鷲羽山




砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. 翠富士に最初に注目したのは、体格が倍以上の徳真鵬に両ノド輪で攻められている相撲だった(動画があったはずだが、削除されたようだ)。両ノド輪だから、要は首を絞められている状態だ。「これ反則違うんか?」思っているうちに敗れた。
    徳真鵬としては懐に入られると面倒なことになるから、両ノド輪で距離を取ったのだろうが、翠富士も体が大きくなって前に出て勝てるようになった。前に出られたら肩透かしも決まる。しかも左右両方だ。
    初土俵から4年余りなので、炎鵬や宇良との対戦がない。宇良は136キロの筋肉の塊のような体格で、足取りや居反りに行く「小兵相撲」だ。体格と相撲が一致しないような気がするが、面白いからOKだろう。
    翠富士とはどんな相撲になるか。楽しみだ。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    翠富士の相撲は、正統派小兵力士という印象を受けます。昭和の小兵力士ですね。炎鵬は舞の海に近い、平成の小兵力士でしょうか。炎鵬は、比較するには体の小ささ、特に最近の体の小ささは気になりますが。宇良は、従来の相撲の型とは比較しにくい力士ですね。このタイプの違う3人が、好調な状態で対戦するのを、早く見たいものですね。

タイヘイ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA