高安 も 照ノ富士 も大関時代を超えた相撲を取っている、素晴らしい





3月場所の優勝争いが面白くなってきた。中心は高安と照ノ富士。まず高安、4年前の高安のコラムで、武蔵丸に似てるって書いた。大関時代の武蔵丸にだけど。4年前の高安にね。

一発一発の突きは威力がある・・・しかし回転は遅い。廻しの引き付けは強い・・・しかし四つ身は巧くない。それが4年前の高安と大関時代の武蔵丸の共通点。

ところがご存知のように、取口ががらりと変わり、四つも左から右に変わった武蔵丸は横綱にまで昇進し、それまで苦手にしていた貴乃花に対して、本割では無敗を誇った。

組んでは強引な上手からの攻めではなく、かいなの返しを重視し、自らの体の特徴を活かした攻めをし、離れても強引な攻めは減っていた武蔵丸。そこを高安に望んだのが4年前だったが、その望みは叶えられつつある。

照ノ富士戦での、深く差し込んでの寄り身。上手よりも差し手で攻める、それが高安に合っている、と思う。安定感が増す、と思う。今日の阿武咲戦も、小刻みに攻めていた。離れた相撲も、良い感じだ。

かつては代名詞的だったカチ上げも、今の高安には似合わない。宝富士戦なんかも、不利な体勢でも粘って、勝機をつかむと一気に攻めて勝った。むしろ相撲が長引くと、淡白になるのは高安の方だった記憶があったが、それらは過去のものだ。

高安は、取口の点では大関時代よりも絶対に良くなっている。そして同様のことが言えるのが、そう、照ノ富士だ。今場所の照ノ富士は少し強引で心配、って声を解説などで聞くことがあるか、私はそうは思わない。

確かに今場所の照ノ富士は、相手のかいなを極めることが多い。そして、振ったり、たまに投げたりしてる。でも、ちょっと違う。極めてから振るのは、自分の背中側の土俵を広くするためが一番の目的だ。

相手を振って、土俵の位置が有利になって、そして寄っていく。極めて、確実な方法である寄りを選ぶ。初日に、照ノ富士は体を開かずに小手投げを決めて、開かなかったら相手の体重がヒザに掛かるのでは、と書いた。

あれは、アレだな、小手投げで決めようとしたのではなく、相手を振ったら決まってしまった、だから体が開いてなかったのだな・・・たぶん。無理はしない、今場所の照ノ富士は。その取口において、大関時代を超えている。照ノ富士も高安も、いろいろあって、そして今がある。

大相撲力士名鑑 : 照ノ富士 高安





砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. 高安、右四つのほうが安定した相撲が取れるんじゃないか。初日の明生戦、左四つ右上手、明生に上手を取らせない絶好の体勢で掛け投げで逆転負けした。
    それで右四つにチェンジしたわけではないだろうが、右四つ狙いで朝乃山にも照ノ富士にも勝った。この2,3年で最高の状態だろう。
    ただ、明日の貴景勝戦は通算6勝6敗だが直近4連敗、正代戦は8勝11敗、直近7連敗だ。まだ対戦していない北勝富士戦は7勝7敗、妙義龍戦は9勝13敗だ。意外なくらい苦手が多い。千秋楽まで全勝で突っ走れるかどうか。
    照ノ富士は御嶽海戦、両上手で挟み付けて戦意喪失させた一番が圧巻だった。ややワキが甘いが、2桁は勝つだろう。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    後半戦、高安と照ノ富士の相撲が楽しみなのですが、高安の分が悪い相手が後半戦は多いのですね。高安の場合は負け越しよりも休場の方が多くて、黒星は少ないのかと思っていましたが、意外と負けてるのですね。今の高安は違う、ってところを見せてほしいですね。

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