9月場所、7日目の大相撲中継、今日は「玉の海没後50年」をテーマに、解説は北の富士で実況は藤井アナのコンビ。解説の玉ノ海梅吉さんが「話の巧い玉の海を解説者にしたかった」という話や、黄金の廻しの玉乃海は酔っ払ったら恐かったが面白かった、と話す玉の海の話が上手だったと話す北の富士。
ややこしいが、のの字がノと乃とので違うから分かりやすい。たぶん今、分かりやすい文章を私は書いている。分かりにくかったのは、玉の海の強さだった。当時はテレビのテープを使い回す時代だったので、玉の海の強さが伝わりにくいから、一時間番組を創って伝えるしかないかな。
しかし、どうせ高見山を吊り出したテープは無いだろうけど。玉の海が目よりも高く高見山を吊り出した場面を家庭用に録画したテープがもし存在するならば、国宝級の品と言っても過言ではない。
私が最初にメルマガで「天下泰平記」を始めたのは15年ほど前で、始めた動機の90%ぐらいは玉の海のことを書きたかったからだ。北の富士のファンだった私が、ライバルの玉の海のことを書きたくてたまらなかったというのは、よく分からない。
それから「砂かぶりの夜」から今の「大相撲になりました」まで、玉の海のことはほぼ書き尽くしているので、今さら書くこともないけど、実況中継を見ていて思ったことだけ書こう。
やっぱり今日も出ました「双葉山の再来」と呼ばれた玉の海という話、しかしYouTubeなどで昔の相撲を見ることが多くなってくると、少し違うかなと今は感じる。双葉山の足腰に一番似ている力士は白鵬だ、体付きも似ている。
玉の海は双葉山の足腰の柔らかさと強靭さに加え、ヒザのバネと強さ、言い換えればヒザの柔らかさと反発力が抜群だった。柔らかい腰で相手を腹に乗せ、ヒザのバネで前に出ながらの吊り出し。
自分よりも身長も体重も、はるかに大きい相手を吊り上げる能力は抜きんでていた。双葉山にも白鵬にも、吊り出しの決まり手は少ない、というか玉の海が多過ぎるだけだが。このヒザの件だけ、付け加えておこう。
誤解の無いようにもう少し付け加えると、話は吊り出しの話で、双葉山と玉の海と白鵬の強さを比較しているわけではないし、そういうのはAIに任せるしかない。AIに勝る相撲評論家などいない、と思う。
どんなスポーツでも時代とともに進化するけど、野球の長嶋茂雄が何かの質問に答えて、こんな風なことを言っていた。「今のボールのレベルは当時の技術では打てないけど、本当に今の時代にタイムスリップしたら、それに対応する練習をするから僕は負けません」私も、そう思う。
それと玉の海が生涯で、はたき込みで負けた相撲が4番というのは凄いけど、北の富士が同じくはたき込みで敗れたのが6番というのも凄いね。パーセンテージの低さは半端ないな。
>>玉の海が目よりも高く高見山を吊り出した場面を家庭用に録画したテープがもし存在するならば
CSフジの「大相撲いぶし銀列伝」で放送されたらしい。
>>https://pbs.twimg.com/media/DWzuKC-UQAA6V_A?format=jpg&name=medium
総裁選のニュース?が延長になって、NHK総合の大相撲中継が20分以上遅れて「玉の海没後50年」特集の録画に失敗してしまった。
藤井アナウンサーが「大相撲取組動画」のサイトをスクロールすると「北の富士、北玉時代を語る」の映像がご覧いただける旨、繰り返し話していたが、多分放送中に抗議があったのではないか。
そりゃ50年前に亡くなった横綱より、現在の総裁選のほうが優先されるだろうが、邪魔するな!これに小室某氏のニュースも加わるのか。結果はどうあれ、他人の恋路の話に対しては野次馬でしかないのに。
玉の海の話だった。「吊ってから前に運ぶ」のではなく「前に出ながら腹に乗せて吊る」技術は誰も受け継ぐ力士がいない。力士が大きくなったこともあるが、怪力系ではない吊りが絶滅するのは勿体ない。
宇良も反り技はやめて、吊り技マスターすればいいのに。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
「大相撲いぶし銀列伝」ですか、調べてみたいですし、それを録画している人がYouTubeにアップする可能性もあるわけですね。さらには、陸奥嵐のノド輪で顔が逆さまになるぐらい反り返った玉の海が、グニョ~ンと復活した相撲も見てみたいですね。50年以上、昔の話ですが。宇良の可能性には、充分に期待できると思います。吊り一本で・・・って、それは無責任というものか?