霧馬山

吊り出しで 霧馬山 は大関レースへ、 白鵬 はヒールになったのだ





白鵬の引退表明のインパクトが大きくて9月場所について書いてなかったけど、千秋楽の霧馬山が千代丸を吊り出した相撲は良かった。どうしても吊り出しや打っちゃりが出ると、昭和のファンとしては興奮してしまう。

それも「腰で吊る吊り出し」だったから、よけいにうれしい。やはり長身で怪力でもって吊る吊り出しよりも、腰で吊る吊り出しは、吊られる側の力士の足の角度が斜め45度ぐらいに宙に舞ってきれいだ。

欲を言えば、寄りながら最後に吊ったけど、吊るタイミングがあと一歩早かったら申し分なかった。「寄り吊り」気味にね。あくまでも欲を言えば、ぜいたくを言えばだけど。とにかく、霧馬山への期待がまた大きくなった。

吊り出しと言えば、若手時代の白鵬が追手海を軽々と吊り上げて、もう本当に散歩でもするように歩いて、土俵際に置物のように追手海を「置いて」、そこから逆転負けという前代未聞の相撲があった。

あのときの白鵬の悔しがりようといったら無かった。「もう二度と、吊り出しはやらない」と宣言し、実際に二度と吊り出しは見せなかった。吊り出しを止めていなかったら、微妙に白鵬の取口も変わっていたかな。

追手海戦での、あの屈辱的な土俵際があったから、それからの白鵬の土俵際は極めて厳しい相撲になった、と思う。厳しくなり過ぎるほどに、厳しくなった。当時は朝青龍もいたから目立たなかったけど。やがて目立って、ヒールになった。

あの相撲は、追手海を吊り上げたまま土俵の外へ出る、というのが一番安全策だったのだけれど、すでに吊り出しが減ってしまっていた土俵で現役を過ごした親方衆が多くなっていて、教え損なっていたのかな。

しかし、やっぱり吊り出しは良い。師匠の霧島が大関になれたのも、吊り出しがあったればこそ、と思う。霧馬山も吊り出しで、大関レースに名乗りを上げるというのはどうでしょうか。

大相撲力士名鑑 : 霧馬山 白鵬




砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. 白鵬vs追風海が、なぜかニコニコ動画に残っている。
    >>https://www.nicovideo.jp/watch/sm25143455
    今見ると左の巻替えが遅い。吊らなくてももっと早く勝てたと思うが「白鵬もこんな時代があったんだ」という一番だった。
    「寄り吊り」というと横綱玉の海か。これは玉の海一代限りかもしれない。後継者がいないまま早世してしまった。
    霧馬山は立合い相手の顔の前に右手を出して左上手投げ、を多用する。日馬富士もよくやっていたが、もっと頭から当たっていたと記憶する(右手は相手の左肩を押していた)。
    秋場所はケガで失速したが、それでも大関・関脇・小結を総ナメした。大関候補ナンバー1で間違いない。

    >>「白鵬は間違っていなかった」 元横綱・稀勢の里の荒磯親方がインタビューで明かした思い
    >>https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukasaki/20211005-00261082
    ここにきて「白鵬派」に大物が現れた。いずれタッグを組むか。貴乃花と貴ノ浪のような関係になるか。とはいえ、現在の協会幹部が全員退かない限り、協会内で上に行くのは難しいと思われる。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    白鵬VS追手海、実は初めて動画を見ました。リアルタイムでしか見ていませんでしたので、本当に久しぶりで見させてもらいました。改めて見てみると、序盤での白鵬と追手海の胸を合わせる攻防は見応えがありました。最近、ここまで胸の合わせ方での攻防は見ないように感じます。追手海も健闘していますね。学生時代のケガが無かったら、と思います。四つ身の攻防と言えば、今では上手廻しを引いたときの照ノ富士に対する観客の反応ですが、霧馬山の左上手廻しもこれから注目されそうですね。そして稀勢の里、白鵬が張り差しを出来なかった力士として、レジェンド的な力士になるのでしょうか。

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