大相撲11日目、新十両の平戸海と幕下の北の若の相撲は見応えがあった。21歳の同学年対決で、前にも後ろにも粘り強い平戸海と、右でも左でも四つで取れる北の若。お互いに持ち味を充分に出した相撲だった。
一学年上が、豊昇龍と王鵬と琴勝峰。王鵬と琴勝峰は今場所は白星を重ねているけれど、私はあまり相撲の内容は変わってないなぁという感じがする。変わらなくても勝てるのは、地力を付けているということだろうけど。
もちろん一学年上だから、実際に戦えば王鵬や琴勝峰に分があるだろうが、取口に魅力を感じるのは平戸海と北の若の方だ。大相撲になりました!、とアナウンサーに実況される力士になる期待が大きい。
平戸海は北の富士に、「昭和の顔だ」みたいなことを言われたらしい。北の富士は若いころは「高度経済成長期の若者」の顔をしていたし、中年に差し掛かるころには「バブル期の成功したオッサン」の顔をしていた。
実は北の富士こそが昭和の顔の代表みたいなものだけれど、平戸海の昭和感はもう少し前だ。昭和30年代の三丁目の夕日顔だ。北の富士よりも古い顔になってしまうなぁ、それに実際の三丁目の夕日の出演者の顔は昭和30年代風ではない。何か平戸海をほめてないみたいだけど、ほめているのだ。
ところでこれぞ昭和の取口、若元春が王鵬を破って勝ち越した。3歩進んで2歩下がるという、水前寺清子のような若元春。いよいよ入幕するわけだが、その取口は、ここ数年の「昭和指数」は平戸海とナンバーワンを争うものだろう。
霧馬山と豊昇龍をリーダー格として、若元春に平戸海と北の若が続く形が、これからの四つ相撲力士の土俵の風景かな、北青鵬は焦らずに。四つ相撲ばかり贔屓にして申し訳ないが、貴景勝をリーダーとする突き押し相撲力士は人材豊富だから、多少の贔屓は問題ないのだ。これで良いのだ。(バカボンのパパ風に)
照ノ富士が年間最多勝力士なわけだが、その前の4年間の最多勝力士が50勝台だったというのを改めて確認するに、やっと時代が落ち着くのかな、と思う。本当に、新しい時代になるなぁ、って感じがするな。
平戸海は「令和の旭國」と勝手に綽名をつけよう。泥臭さが個性だ。前ミツ取ってジワジワ出ていく相撲に徐々に変わっていくか。
王鵬も左四つでも取れるが、若元春はまるで問題にしなかった。若元春が28歳、というのに驚いたが、若隆景の兄だった。初土俵から10年、苦労した新入幕だ。
幕下筆頭から4枚目まで4勝2敗の力士が4人いる。そのひとりの千代嵐は十三日目、十両の旭大星と入れ替え戦だ。
北の若は七番相撲で誰と当たるか。「幕下の大ベテラン」「張り差しキング」の芝か。これに勝てば十両昇進という一番を先場所落としている。意外と緊張するタイプか。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
楽しみな力士たちが上がって来ています。今日は琴勝峰が久々に「グニョ~~ン」を出して、若元春に逆転勝ちをしましたね。個性的な力士が多くて、来年の土俵は面白くなりそうです。白鵬や日馬富士や稀勢の里や琴欧州が揃って上がっていったころに近いですね。この時ほどに横綱・大関候補とはいきませんが、個性派揃いではありますね。