大の里、来場所の大関取りなるか!、とは言え、大の里のブログを書くのは今回で2回目、前回のブログが初めてだった。
もともと昭和の大相撲をメインで書いていて、今の力士について書くときも、昭和の力士と比較しながら書くことが多かったのだけど、大の里は昭和の力士と比較しにくい力士だから、これまで書くことが無かった、と思う。
大の里は過去の力士の中で、似ていたと感じる力士がいない。体は大きいが、アンコ型ではない。固太りで体重があった魁皇や武双山を二回りぐらい大きくした感じかな。しかし魁皇とも武双山とも相撲の型は全然違うし、体のサイズが違うから、それは当たり前のことだ。誰にも似ていない。
大学生までアマチュア相撲をやってきた力士のイメージは、やはり突き押し&引き叩きの巧さだ。「多さ」ではなく「巧さ」と書いたのは皮肉ではなく、確かに巧い。もう一つのイメージは、突き押しと四つ相撲の両方のバランスが取れている力士が多いところだ。
大の里も突き押しからの引き叩きは巧いし、差しても廻しを引いても相撲が取れる。アマチュア相撲の典型というよりも、これはこれからの大相撲のメインストリームとなるのだろう。
誰にも似ていない大の里の相撲がメインストリームになるのならば、それは一つの時代が始まるということだろう。本当の始まりは、輪島以来の学生相撲出身力士の綱取り成就のときだろう。
ところで大の里、誰にも似ていないと言ったけど、プロレスラーに例えたらスタン・ハンセンに似ていると思う。体の強さと大きさ、果敢にシンプルに、そして一気に攻め込むスタイル。
そしてプロレスラーで例えたら、白鵬はカール・ゴッチだな。技術的な部分も、嫌われる要素まで似ている。時代はカール・ゴッチからスタン・ハンセンへ。冗談ではなくて、40年前のプロレスの状況と今の大相撲の状況は、少し似ているような気がするな。
相手の相撲を堂々と受けたうえで勝つ。横綱に無茶な要求だなと思いつつ、これはプロレスだとも思う。最近見ることが減ったがっぷりでの強烈な引きつけあいもかなりプロレス的。
今の大の里が過去の名力士たちと重ならないのは、プロレスタイプじゃなく総合格闘技タイプに感じるからかも。
トーナメントという大相撲とは違う厳しさを勝ち抜くためのスタイルなのでしょう。リスクを排して強みをぶつける、合理的な美しさがある。
ハンセンやゴッチが出てきた時は思わず笑ってしまいました。ゴッチ白鵬は、本家ゴッチ道場のように沢山の弟子を世に出せるようになりますかね。
としさんへ
コメント、ありがとうございます。
確かにトーナメント戦を勝ち抜いてきた、大の里の相撲には総合格闘技の匂いがしますね。そして朝潮や出島や琴光喜や正代や御嶽海とは、一線を画す強靭で大きな体を持っています。輪島も一線を画して、かなりの怪力でしたが。ある意味、大の里はアマチュア相撲出身力士における、現代相撲の一つの理想形と言えるでしょう。
ところでゴッチ白鵬は、本家ゴッチに見習えば、コーチとして生きることになりますが、それも白鵬らしいのかもしれません。コンディション作りと技術的な指導は、白鵬が一番ではないでしょうか。ただ長州力のように、真っ向から否定する者もいるでしょうね。