曙

23歳の曙 と29歳の双羽黒 の2m級対決を見てみたかった





貴乃花、幕内対戦成績21対21、全対戦成績25対25。そして同期入門。栃若・柏鵬・北玉・輪湖など、かつてあった両雄が並び立った時代で、これほどまでに同時代を同成績で相対したライバル関係は他にありません。

この時代は、貴乃花と若乃花が稀代の人気力士だった大関貴ノ花の息子であり、さらに兄弟そろっての入門ということで注目度は半端なものではありませんでした。

歴史的な名勝負を重ねた貴ノ花でしたが、「土俵の鬼」横綱若乃花の弟として横綱を期待された、そのファンの夢には軽量でケガもあって応えることは出来ませんでした。当時のファンはもちろん、大関で終わっても貴ノ花には最大の拍手を送りました。

それでも若貴兄弟が実力も一級の若手力士と分かると、その注目度は熱狂のレベルに、そして若貴フィーバーは
社会現象となりました。曙と貴乃花のライバル対決は、この熱狂の中でベビーフェイス対ヒールの対決のような様相を呈していました。

そのうえ曙と貴乃花の相撲の型の違いもあり、どちらが勝つにしろ一方的な展開が多く名勝負が少なかった、という声も聞こえました。しかし一方的な展開が多かったということは、見方を変えれば・・・。

曙は「あの受けに強い貴乃花」を一方的に突き出したわけですし、貴乃花は「大相撲史上最長身・最重量の横綱曙」に何もさせずに寄り切ったわけです。つまり、曙の凄さをもっとも分かりやすく見せたのが貴乃花であって、貴乃花の凄さをもっとも分かりやすく伝えたのが曙であったということが言えるでしょう。

もちろん貴乃花が横綱昇進を決めたときの相撲のように、歴史的な名勝負もありました。一方的な相撲と名勝負があって、若乃花・武蔵丸・貴ノ浪を含めた若貴時代、もしくは曙貴時代の様々な場面があったわけです。

貴乃花 曙

新弟子時代の曙と貴乃花の取組です。まだ相撲を始めたばかりの、曙のバランスの良い立合いは出色です。この体でこの体勢を保てるのですから、やはりヒザが固かった師匠の高見山とはモノが違ったようです。

この柔らかさと大きな体、どうしても双羽黒のことを思い起こします。もし双羽黒が大相撲を続けていたら、23歳で曙が横綱に昇進するとき、双羽黒は29歳。199cmの双羽黒に、曙は204cm。曙の突っ張りに対して双羽黒も突っ張りはできますが、さらに突っ張りの受けも強い力士。そして両力士ともに右四つ。

空前絶後のスケールで大相撲が展開されたでしょう。想像するだけで、ワクワクしてくる取組です。しかし現実は昭和62年の年の暮れに双羽黒は廃業、曙はいうまでもなく昭和63年春入門。ほんのちょっとの時間差で、カスりもしませんでした。・・・残念。




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