照ノ富士

照ノ富士は復活し、「琴櫻」も復活し、令和6年は楽しい土俵になりそうなのだ

令和6年1月場所千秋楽、良い勝負を見せてもらった。やっぱり大相撲は良い。後年に語り継がれるような場所になった、と言っても過言ではない、と思う。

優勝決定戦の照ノ富士は巧いし、強かった。師匠譲りの、土俵の広い方を背にする理詰めの相撲。強いときの照ノ富士の手堅い相撲。巻替えの巧妙さも、師匠譲り。そういう相撲を、師匠よりも大きな体で巧妙に出来ているから、師匠を超えたと言って良いよね。

今場所のテーマを、照ノ富士に勝ったことのない力士の中で、誰が初白星を上げるかとした私。それは正直、誰かは勝つだろうという予測からのものだった。私も、「参りました」と言うしかない。

照ノ富士の力の強さだけじゃなく、そんな巧さを見れたのも、琴ノ若が両差しになったから。土俵際も粘ったし、琴ノ若も確かに強くなった。大関に相応しいだけの力を付けた。

数年前に書いたブログで、もっとも復活してほしい四股名の一つに「琴櫻」を上げたけど、予想外に早く復活した。字面も、音の響きも、本当に美しい四股名だ。来場所が楽しみだ。

霧島は残念だったけど、それだけ綱の壁は高く険しいということだ。琴ノ若戦は、よく分からない立合いになってしまった。取口の柔軟さが、悪い方に出てしまった相撲だった。

優勝争いの力士による総当たりリーグ戦から離脱した豊昇龍だが、右ひざの白いものだ気になっていたし、相撲にも影響したように見えた。早く、万全になって欲しい。

朝乃山は、復帰してから勝ち越したのは大したものだ。照ノ富士から初白星上げられるかのテーマは、朝乃山も同様だ。来場所には照ノ富士と当たるだろう。そして相変わらずの人気だ。

十両優勝の尊富士は、琴錦のようなF1相撲。琴錦の再来となるか。若隆景も完全復活。三段目は丹治は千秋楽も勝って6勝1敗。幕下で全勝だった春山と当たって、髪を引っ張っての反則負け。来場所は幕下に再挑戦だ。

来場所以降への楽しみも増え、そして宇良の伝え反りも見られたし、近年では出色の千秋楽になった。

大相撲力士名鑑 : 照ノ富士 丹治

砂かぶりの夜

2件のコメント

  1. まだ余韻が楽しめる素晴らし初場所でした。横綱照ノ富士には、凄みを感じました。いままでも技術的・精神的に突出した力士だとは思っていましたが、今場所は出場を決めた判断力も素晴らしかったのでは。
    場所前は関係者の間でも心配の声が多かったですし、自分の体と相談し横綱としての相撲を取りきれるとある種の覚悟とともに決断したのだろうと想像すると、勝手に感動してしまいます。

  2. としさんへ
    コメント、ありがとうございます。
    初場所の照ノ富士の相撲内容は、優勝という結果だけではなく、いつもと変わらぬ自分の相撲を取り切るという、横綱としてのプライドを感じさせるものでした。体は万全ではなくても、相撲内容は堂々とした、いつもの照ノ富士のものだったというのが感動的なものでしたね。勝ち負け以上に。

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