貴景勝

貴景勝 が実に54年振りの快挙、新時代の土俵の風景が見えてくる





貴景勝が初優勝。若い力士が想定外の勢いで、そしてドラマチックな優勝決定、それも一年納めの九州場所、こんな高揚感は久しぶりだ。本当に来場所、というか来年からの展開が楽しみな、そんな優勝となった。

千秋楽は今場所、私の一押しの二人の力士のうちの一人、錦木が相手。これは簡単には行かないぞ、と思っていたら、やっぱり行かなかった。立合い、錦木の体の圧力で後退した。

ここで今場所、随所で決めてきた左からの突き落とし。しかし多くの力士を土俵に沈めてきた、この技が錦木には決まらない。逆に貴景勝が体勢を崩す。それでも、引きを見せた錦木に乗じて、一気に攻め込んだ。流石だ。

錦木は引きを悔やんでいたというが、引きたくなるくらいに貴景勝の体勢は崩れていた。そこで持ち直すのが、今の貴景勝の貴景勝たるゆえんだ。優勝を決めた相撲で本領を発揮した。

錦木は引かずに、体を密着させていれば結果は変わったかもしれない。VTRを見ると、「これは引きたくなるなぁ」とも思えるが、錦木が悔やんでいたからには、来場所はさらに楽しみだ。

錦木は「相撲が強くなった」と言うよりも、「相撲を取っている力士が強くなった」と感じる。ちょっと抽象的だけど、何か体から醸し出す・・・オーラという言い方は恥ずかしいが、・・・変わった、とにかく楽しみだ。

高安については、これはもう、15日間通しては難しいが、目の前の相手へのここ一番の対応は土俵随一の御嶽海にやられた。貴景勝もやられているし、もう・・・御嶽海の集中力の凄さ、状況判断の凄さだ。

ところで前日のコラムで、高安が貴景勝に勝つには、一発で決めるような思い切った引き技ぐらいしないと厳しいと書いたが、クルリと一回転。あそこまで思い切るとは思わなかった。本人も思っていなかったみたいだけど。

貴景勝も、定石から外れた流れに対応できなかった。今まで功を奏してきた「リーチの短い、矢継ぎ早の攻め」。しかし、そのリーチが高安の背中へ、もう一押しの数センチ、届かなかった。プラスが有れば、それがマイナスにもなる・・・致し方ない。

それにしても高安のあの動きは、「マンボの松ちゃん」以来だ。と言っても、大関松登は昭和36年に引退しているので、「マンボ」は私の記憶には無い。

昭和30年代の話でもう一つ、昭和39年の名古屋場所で富士錦が優勝を飾った。身長175㎝。そうなのだ、175㎝の力士が幕内最高優勝を果たすのは、貴景勝で実に54年振りのことなのだ。

大相撲力士名鑑 : 貴景勝




2件のコメント

  1. >>175㎝の力士が幕内最高優勝を果たすのは、貴景勝で実に54年振りのことなのだ。
    富士錦が背が低いイメージはない(若浪はもっと小さいと思っていたが、178㎝ある)。昭和39年と平成30年では幕内力士の平均身長も10㎝近く違うのだろう。
    十四日目の高安は上手く(あるいは偶然か)「貴景勝ゾーン」から逃れて白星を得たが、御嶽海に負けるかねえ。「ここで負けるかねえ」トリオが稀勢の里・高安・御嶽海だ。
    御嶽海は今年4回目の5連敗(豪栄道の不戦勝を挟む)だ。「集中力の凄さ、状況判断の凄さ」と負け出すと止まらなくなるツラ癖が表裏一体になっているのか。

    来年は上位の引退力士が続出するか。豪栄道のケガも心配だ。貴景勝が大相撲の風景を一変するのではないか。御嶽海がライバルとなってほしい。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    力士の身長については、大鵬・北の富士と白鵬・稀勢の里を比較すると、私は5㎝程度と思います。平均を測ると違うかもしれませんが、代表的な力士を見ると、意外とそれぐらいかと。ちなみに同時代のプロ野球、長嶋・王と大谷を比べると、大相撲との身長差とは違いますね。まぁ、それはさて置き、このままでは御嶽海は、「15日間通して」と「ここ一番」との違いが特徴の力士になってしまいそうです。そして阿武咲が来場所から、どんな相撲を取るようになるか、まだまだ風景は移り変わりそうです。

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