「貴の乱」なる本が、宝島社から出るそうですね。「出るの、早いな~」と思っていたら、角界の権力闘争を5年の歳月を費やして、取材してきたそう。ご苦労なことだ。
5年も掛けて、このタイミングでの刊行というのは、今までは本にしても売れないという見込みが立っていたのでしょう。今なら売れる、ということで本になったということか。「貴の乱」というタイトルは、目を引きますね。
宝島社のこの手の本は、プロレスの裏事情に関するものが多いですね。私もかつては猪木信者で、宝島のこの手の本は読んだことがあります。ちなみに私がプロレスに触れたのは、ちょうど柏戸が引退した頃ですから、大相撲よりも少し後のこと。
その時代は私の住んでいる地域はコンバーターというのを付けないと、NHKとTBSしか見られなかったというのが、プロレスに触れるのが遅くなった大きい原因。ジャイアント馬場がボボブラジルに負けたよ、なんて友人の話をうらやましく聞いていたものでした。昔話はどうでも良いが。
最近はコメントで「大相撲もプロレスのように、団体で分かれて運営すればよい」という内容のものを、たまに見ますね。しかしプロレスの分裂の歴史は、現役選手の独立の歴史でしかないわけです。経営陣の対立というのは少ない。国際プロレスの吉原氏ぐらいか。
プロレスを題材にした話ほどの展開は、無理なような気もするが。それでも過去の宝島社のプロレス関連の本には、その取材力の豊富さを感じさせるに充分なものがあって、今回の「貴の乱」にも、かなりの情報をぶち込んでくるのでしょうね。
しかし、どんな組織でも権力闘争はありそうだけど。協会内の権力といっても、まずは出羽海一門でしょ・・・栃錦から若乃花の二所一門へ。黄金時代の盟友に一門の壁は無い。
境川理事長時代に、現役時代に出羽海一門を破門された北の富士は要職に就いて・・・境川は現役時代には敵意をむき出しにしていた時津風に、その後の協会運営を託した。
北の富士を事実上退職に追いやるクーデターを起こした前の山は、数年後には「北の富士角界50周年旭川興行」の成功に尽力した。等々・・・ぐらいの程度だが、協会に関する話と言えばね。ちょっと良い話っぽい内容しか知らないなぁ。
宝島社の書き方にもよるけど。いかにもキナ臭そうな感じで書くから、過去のプロレスに関する本では。八角派と貴乃花派の権力闘争の話がメインみたいですが、反主流派の高砂一門から理事長が出た経緯というのには、正直言って「何故か?」という感じはありました。それほど興味は無いけど。
逆に、「あっ、そういうことで、今回はこういうことなんだ」と合点がいった方が、「何だ、そういうレベルの喧嘩なの」みたいになって良いかもしれないが・・・。とりあえず、立読みということで。
昨年出た別冊宝島「稀勢の里と大相撲新世代」という本の中で、服部桜を取り上げていた。
式秀部屋が力士養成費目当てに、先の見込みのない弟子を大量に入門させている、という、わざわざ本にしなくても(悪意のある噂は)知ってるし、なんかピントがずれてるし、という記事だが、その中で、まるまる1ページの服部桜の写真の下のキャプションが、
「連敗記録を更新し続ける服部桜。角界のハルウララにするつもりか」というもので、この記事のライター、森麗のことは知らないんだ、とわかって、当該記事だけでなく、本全体が胡散臭く思えてきた記憶があります。
なんで2月22日に発売するのかわからない。世間は平昌オリンピック一色だ。
相撲協会がひっくり返るような記事があれば、事前にネットで噂になるだろう。オリンピックが始まる前の3カ月間、ワイドショーも週刊誌もスポーツ新聞も夕刊紙も相撲関連のニュースが途絶えたことがなかった。きゃりーぱみゅぱみゅ氏が「テレビブロス」の連載エッセイで「ミヤネ屋、相撲の話ばかりやり過ぎ!」と怒っておられた。
まあ全然期待せずに、それでも読んでみるか。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
宝島はプロレスについては詳しいと思っていた程度でしたが、大相撲に対してはどの程度か、は正直言って分かりません。今回の「貴の乱」を通して、「世間で売れる大相撲の本」というのを宝島がどう認識しているのか、というのは興味深い部分もあります。立読みで終わるか、果たして・・・。