大相撲夏場所11日目、朝乃山が優勝争いの単独トップに立った。今場所は前に出る相撲が目立つ。その出る姿勢が良く、特に足の運びが良くなった。
右四つの良い型がある、というのが朝乃山のキャッチフレーズみたいになっていたが、今一つの物足りなさを感じていた。それは四つ身は良くても、足の運びがドタドタすることがあったのが気になっていたからだ。
左の上手投げには切れ味があっても、寄り身に切れ味が無かった。すり足が今一つというのでは、大関候補と呼ぶまでにはまだまだ、という印象だった。
四つ相撲が好きな私が、朝乃山のコラムを書くことが少なかった。朝乃山のような、かいなの返しが巧い力士が減った昨今、それでもなかなか書く気にならなかった。
今場所はドタドタした感じは無くなった。強くなった。上位陣に通用するか、12日目は玉鷲戦。朝乃山のすり足と玉鷲の圧力との勝負は、まさに試金石。ここでドタドタしなかったら、いよいよ本物だ。
そしてもう一人、頑張っているのが琴恵光。よく言われるのが、力が強いところ。琴恵光は取的時代、かなり細いところから肉を付けていった。最初に細いところから、鍛えていった。だから筋肉が強く、かいな力があり、足腰も強い、というのが私の前々からの理論。
琴恵光には、三役から幕内上位で活躍してほしい。現在の土俵で、一番熱戦が多い力士は松鳳山だと思うが、琴恵光にも熱戦が多いイメージがある。取口は違うけれど。
幕内に定着して、横綱・大関とも早く対戦してほしい。「ミスター熱戦」の称号を、松鳳山から奪うぐらいの気持ちで。松鳳山も「ミスター熱戦」とは呼ばれてないが。
琴柏谷・・・これは平成20年の夏場所後に、初めて琴恵光のコラムを書いたころ、当たり前だが若い。当時は序二段、際立って精悍な顔立ちで、ぜひとも上がってきてほしいと思って書いた記憶がある。
YouTubeなんて見る時代じゃないから、相撲を見ることもなくコラムを書いたわけだ。あれから11年か・・・入幕しての初の勝ち越し、とにかくメデタイ。