初日と2日目だけを見ても、正代のインパクトが凄い。「貴ちゃんねるず」風に言うと、ゴイスーだ。胸を出すだけでも驚き、そのうえアゴも上がっている。それに、普通は差しに行くと当たりの強さに気持ちを集中出来ない、みたいなはずだが、それでも形は両差し狙いだ。
思いっきりの規格外れ、だからこそ防ぎようがなく、正代も一気にブレイクか、という感じがする。まさに唯一無二の立合いと言えそうだが、一人だけ似ていた力士を思い出した。柏戸だ。
そう、あの大横綱の大鵬の最大のライバル。長きにわたる柏鵬時代を築き上げた、あの柏戸だ。胸を出したまま、アゴを上げて、体ごとで突進。勢いのまま、相手力士ともども土俵下に重ね餅。
「柔」の大鵬の対極の、「剛」の相撲。男性ファンに圧倒的な人気を誇った柏戸。男っぽい相撲。ここまで書いていると、まったく正代のイメージとは重ならない。
しかしだ、ネガティブ発言がネタのようになったふうでもある正代だが、どうも最近、変わりつつあるようだ。かなり前向きで、自信たっぷりの発言をしている、ような気がする、たぶん。さすが熊本県人、肥後もっこす。
元がネガティブだった人間が、一度ポジティブになると、これは強い、かもしれない。「柔」の体で「剛」の相撲、展開によっては「柔」になる。これは、かなりの期待、今場所のゴイスー候補。
規格外れというと、やはり琴勝峰の柔らかさ。今場所こそ、二桁いってほしい。それはまた、次回以降で。朝乃山、初日から連敗ぐらい、大関ならドッシリ構えて。そして3日目は、早くも照強VS霧馬山。意外と、廻しを引かないで終わったりして。
正代の時津風部屋の兄弟子・豊ノ島も169センチの短身で胸から当たって両差し狙い、という規格外の力士だった。203センチの琴欧洲が対戦成績16勝16敗で大の苦手とした。
豊ノ島は晩年ケガに苦しんだが、正代は大ケガしそうにない。体の頑丈さも規格外だ。とんでもない異能力士が完成しつつある。28歳だが、このタイプは年齢も関係なさそうだ。
照強VS霧馬山、照強が足取り狙いそうだが、今場所絶好調なので小技は封印するかもしれない。霧馬山のほうが取りにくそうだ。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
豊ノ島も規格外の力士でしたね。以前のブログで新入幕の頃の豊ノ島を「正攻法の異能力士」みたいなタイトルでコラムを書いた記憶があります。その身長から、手取り力士なのが常識的。正攻法だから異能力士、といった内容でした。私がブログを書き始めたころの幕内力士も、白鵬と琴奨菊だけになりましたね。