白鵬

白鵬 の優勝を初め、感動的な場面が多かった平成最後の場所、そして新年号の来場所もワクワクは多い





大相撲春場所、平成最後の場所が終わった。結びの一番は平成の記憶に残るであろう、熱戦となった。「節目の場所で勝ちたい」という白鵬の思いがこちらにも伝わってきたからこそ、見る側にも思い入れが深くなった、と言えるのではないだろうか。

もちろん「節目に勝ちたい」という気持ちの部分もだが、とにかく白鵬は強かった。絶対不利な体勢から勝てる、アスリートとしての能力。34歳になっても変わらない体型を維持できる、自己を律する能力。

これは単に「相撲が強い」だけでは達せないものだ。トーナメントで勝っていくのではなく、15日間の総合成績で優勝が決まる大相撲。その厳しさを自覚し、そして体現している白鵬。

そして熱戦は一人では出来ない、鶴竜も奮戦した。かつての白鵬VS朝青龍のような一番になった。平成の終わりに良いものを見せてもらった、と思った。やっぱり豪栄道や高安では、まだ出来ない熱戦だった。

豪栄道は分が悪かった鶴竜・高安を連破して、来場所が楽しみなわけだが、今日の鶴竜のような相撲をとれるようになってほしい。安易に攻めていかない、白鵬に安易に攻めさせないという、言葉にすれば「相撲力」というべきか。高安も同様だけど。

鶴竜ともう一人、栃ノ心は白鵬とがっぷりで相撲がとれる力士。今日の、貴景勝戦の堂々とした負けっぷりは見事と言っていいと思う。ぜひとも、復活を期待したい。まだ若い。

貴景勝にとっても、栃ノ心戦は大一番だった。節目の場所に大関昇進、新しい世代の旗頭だ。序二段では、狼雅が照ノ富士を破ってしまった。これも記憶に残る出来事として、平成の相撲史に記されるだろう。

新年号となる来場所では、豊昇龍が関取を狙える位置にくる。さらに北の若が番付につく。納谷はもう少し体、絞れないかな。狼雅を含め、この世代は楽しみだ。ワクワクは多い方が良い。

大相撲力士名鑑 : 白鵬




2件のコメント

  1. >>今日の、貴景勝戦の堂々とした負けっぷりは見事と言っていいと思う。
    栃ノ心、左に動いて上手を取りに行く、今場所逸ノ城が唯一黒星を喫した中日と同じ作戦で行くと思い込んでいた。「堂々とした負けっぷり」だ。なんら恥じることなく、来場所以降、復活を目指せばいい。

    白鵬が右腕を庇いながら賜杯拝戴する姿を見て、昭和48年九州場所の輪島の途中休場しても優勝した表彰式を思い出した。
    翌年、北の湖が大ブレイクするわけだが、さて貴景勝は北の湖になれるか。
    それとも豊昇龍・納谷・狼雅・北の若の「平成10年代生まれ(仮→いずれしかるべき名称が付くか)」が幕内上位に来るまで、「白鵬、優勝か休場か」時代が続くか。

  2. shin2さんへ
    コメント、ありがとうございます。
    白鵬の白星、栃ノ心の黒星、安易な「感動をありがとう」は寒気がしますが、今日は素直に「感動をありがとう」と思いました。そしてこれから、貴景勝と豊昇龍・納谷・狼雅・北の若の競い合いのプロローグが始まる予感。白鵬の時代がいつまで続くかと、このプロローグは土俵の上で強くリンクしていると感じます。同じ内容でもう一度、この千秋楽のコラムを書こうと思います。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA