阿炎

阿炎 の優勝はサプライズとは言えない、私は結果論でモノを言うのだ、これで良いのだ





一年が終わったなぁ。いろいろと盛り沢山で、記憶に長く残りそうな令和4年の土俵となった。阿炎の優勝は確かにサプライズなのだが、改めて考えてみるに、納得の部分はある。「結果論だ」って言われそうで、実際にそうなんだけど。

本当に結果論で書くのだけれど、今場所に威力を見せていた高安のカチ上げは、阿炎相手には厳しかった。カチ上げは確かに効果を上げていたけど、腰が高い場面が多いのが気になっていた高安。もろ手突きの阿炎ではカチ上げの目標は高くなり、高安の腰はいつより増して高くなったのではないのか。

正代のパン食い競争に付き合って、張り差しが思いっきり腰高になって負けてしまった白鵬を思い出した。腰高でも、阿炎は動きは良いし、攻撃も鋭い。前回の北青鵬もそうだが、形よりもアスリートとしての能力が勝っている、ということか。

貴景勝が巴戦の時点でスタミナがいっぱいいっぱいだったのも、アスリートの部分で阿炎に劣っていたということだろう。幕下時代の映像に残る阿炎は、相撲はまだまだだがジャンプ力はある、って感じで紹介されていた記憶がある。だから巴戦は、阿炎は絶対的に有利だった。

残念な話だけど、正代が大関を陥落したのも、御嶽海が大関復帰がならなかったのも、アスリートとしての能力が衰えたから、と思う。技術面や精神面よりも、それが一番だと思う。稽古量が減っているとしても、それもアスリートとしての衰えからのスタミナ不足が原因だろう。

本当に一年で景色が一気に動いて、しかしまだ混沌とした状況には変わりない。来年は新たな大関と新たな大関候補が生まれるだろうが、混沌としたままでも土俵が充実していれば、それが一番良いのだ。

大相撲力士名鑑 : 阿炎




砂かぶりの夜

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