北の富士の相撲解説はお馴染みですが、昭和の大相撲中継には玉ノ海梅吉と神風正一という、相撲解説の両巨頭が君臨していました。
まずは、玉ノ海。辛口の解説でありながら、人情味のある言葉もかける絶妙の相撲解説で、「角界の彦佐」と、親しまれました。ゆっくりとした、独特の節回しのしゃべり方。人情味という点では大受の、「土のにおいのする力士」というのが秀逸ですね。
辛口という点では、解説で今をときめく北の富士の現役時、「薄っぺらい現代相撲の典型」と一刀両断。もちろん、横綱として物足りないという意味だったのでしょう。対する現役時の玉ノ海は・・・。
右で廻しを引けば、怪力にまかせての相撲。たしかに、「どう見ても、薄っぺらい相撲には見えません」。顔も恐いですね、迫力充分。
そして、神風。「関西の江戸弁」、と自称する歯切れの良い口調で、明快な解説。現役時は切れ味鋭い上手投げを得意とし、その取口そのままに颯爽とした解説者でした。上の写真では相撲解説者当時の面影がありますが、若手力士の頃は・・・。やはり、颯爽としております。
昭和25年初場所、東富士・羽黒山の両横綱を破り、神風旋風を巻き起こします。この場所、この両横綱を含む4横綱が休場し、横綱審議委員会設置の原因となったということです。
ちなみにこの神風旋風の場所、前頭2枚目で9勝6敗。しかし翌場所の番付は前頭筆頭、何と番付が不満であっさりと引退してしまいます。
この両巨頭がいると、アナウンサーも半端な放送はできなかったでしょうね。今は、割りと意見っぽいことも言いますけど。私は、北出アナウンサーがナンバーワンですね。