多賀竜

蔵前最後の優勝力士、 多賀竜は小錦・若嶋津を連破した





昭和59年秋場所、前頭12枚目の多賀竜が平幕優勝を果たします。178cm・142kgの丸っこい体でしたが、右四つで前ミツを引いての実に巧い相撲をとりました。

この多賀竜の優勝は、若嶋津が綱を逃した場所として語られることがよくありますが、あの小錦が「黒船来襲」と騒がれた場所でもあります。多賀竜と小錦の相撲は、あまり注目されませんでしたが・・・。

多賀竜 小錦

小錦が見事に宙を舞っています。土俵のまるさを巧く使った、相撲巧者多賀竜の動きが光った一番でした。直接対決で若嶋津・小錦を破っていますから、堂々の優勝ですね。

多賀竜 若嶋津

そして14日目、前場所に全勝優勝の若嶋津との取組。ここまで多賀竜が12勝1敗、若嶋津が11勝2敗、若嶋津にとっては、一世一代の勝負。相撲は大熱戦、大相撲になりました。しかし多賀竜の組手である右四つに終始し、乱戦の中で若嶋津の綱取りの夢は消えます。

蔵前国技館

そして蔵前国技館のフィナーレ。まるで演歌歌手のコンサートのように、みんながペンライトを振りました。栃錦や若乃花の世代が仮設の会場から踏み出した戦後復興、その栃若・柏鵬・北玉・輪湖、そして千代の富士の、たくさんの名場面の記憶を留めて、蔵前国技館とのお別れです。一つの時代の区切りでした。




力士名鑑 : 多賀竜

 

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